とはいえ、売買ポイントを見極めるには高いスキルを要求されそうだが。
「見極める方法は無限にありますが、いちばんシンプルなのはローソク足の線で書かれた部分、『ヒゲ』に注目すること。下落トレンドが極まったところで、ローソク足の下側に長い線が出ると底打ちの予兆です。上昇する可能性があるので買ってもいいですよね」
反対に上昇トレンド中に高値をつけたローソク足で上に長いヒゲが出ていたら天井の可能性あり、だ。
「ローソク足の並び方から判断する『パターン分析』もあります。下落トレンドで2つ、同水準の安値ができたら『ダブルボトム』と呼ばれ、これも底打ちのシグナルですし、反対に上昇トレンドでできた2つの高値は『ダブルトップ』。下落シグナルです」
また、トレンド転換を見極めるにはさまざまなテクニカル指標がある。ひろぴー氏のオススメはどれか?
「RSIですね。これを使うと、『トレンドの転換点』が高い精度でわかるようになります。RSIは値動きの行き過ぎを見るためのテクニカル指標です」
RSIもテクニカル分析の定番ツールなので、ほとんどのチャートで表示することができるはずだ。
では、RSIを駆使してどんなシグナルを探るべきなのか。
「RSIで見るべきは、『ダイバージェンス』というシグナルですね。下落トレンド中なら最安値とその手前にある安値値を比べてみてください。最近高値のほうが安いのに、RSIが切り上げていたらダイバージェンス。『トレンドが転換するかもしれない』というシグナルですから、つまりこれは買いのタイミングです」
逆に上昇トレンド中にダイバージェンスが出たら反転下落の可能性あり。買いポジションがあったら一部を利益確定しておこう。
「RSIと似た性質のテクニカルにMACDがあるのですが、RSIとMACDの2つともダイバージェンスがでていたら、より精度は高まるので、これを併用させていきましょう」
ほかに、取引された量を示す「出来高」についてはどうか。
「出来高が役に立つのは暴落時ですね。仮想通貨では『セリング・クライマックス』と呼ばれる暴落が頻繁に起こります。これは安値で買うチャンスでもありますが、ヘタに買うとさらに暴落するかもしれない。そんなときは出来高が細るのを待ってから買うんです。『出来高が減ってきた=売りたい人が減ってきた』ということ。それ以上に下がる可能性が低いんです」
とはいえ、どんなテクニカル分析だって精度は100%じゃない。
「だから、思った方向と反対に動いたら必ず『損切り』をしてください。僕も勝率100%ではないし、失敗することがあります。そのとき致命的な損失を負わないよう、自分から決済して損失を確定させること。トレードするなら損切りは絶対のルールです」
ここまで覚えたらもう立派な仮想通貨トレーダー。いざ、ボラティリティの嵐へと飛び込んでいこう!