「コーチング本で学ぶことや知識量」と「知識はなくても実践できている」。どちらが評価されるべき?
ビジネススキルの巧拙は数値化して評価できるのか?」)
このような評価方法は、まさにスキル発揮している状況に着目した評価方法で、実践できていて初めて評価される方法だ。知っているかどうかや、できるかどうかを問う評価方法とは異なる。しかし、実際には、知っているかどうかという知識の有無や、できるかどうかという理解の程度を問う評価が多いことに、人事や人材開発の領域で企業をサポートしていると気付く。
知識があるかどうかで評価しているか、理解の程度で評価しているか、実践しているかどうかで評価しているかは、その企業で使用している評価シートの記述をみればわかる。以下の4つの例でみてみよう。
(1) ○○のプロセスの進め方を知っている
(2) ○○のプロセスを進めることができる
(3) ○○のプロセスを進めたことがある
(4) ○○のプロセスを進めている
(1)は、知っているかどうか、知識があるかどうかを問うている。知っているけれどできない、知っているけれどやっていない場合も、このケースに該当してしまう。
(2)は、できるかどうかという理解を問うている。理解しているけれども、やっていないという場合も、このケースに入ってしまう。
(3)は、1度でも実施したことがあるかを問うている。1度実施しただけで、後は実施していない場合も、このケースに入ってしまう。(4)は、現在も実施しているかどうかを問うている。継続的に実施している場合に、このケースに入る。
(1)や(2)のように知識や理解のレベルを問うことが全く不要だとは言わないが、知っていたり理解していても実践できなければ価値はなく、肝心なことは実践できるかどうかなので、(3)や(4)の問いが評価シートには不可欠だ。
さらに言えば、知識があって理解した上で実施しているケースと、知識がなく自分がやっているか理解もしていないが無意識のうちに実施しているケースとを比べた場合、実施しているという事実は同じで、その面からは等しい価値があると言える。
例えば、「アイコンタクトの長さは2.5秒程度が、相手を最も引き付けやすい」ということを、知っているができている人と、知識としては知らなかったが無意識のうちにいつも2.5秒程度でアイコンタクトをはずしている人がいる。同じ実施しているということでいえば、等価値で同じレベルで評価されることが適当だ。むしろ、知らないでやっている方が、体に染みついているわけで、価値が高いという見方もできるかもしれない。
スキルレベルを評価しようとしても、リーダーシップスキルやビジネススキルという大きな括りで評価しようとすると、漠然とし過ぎていて、評価が曖昧になったり、印象評価に陥ってしまったりする。
しかし、スキルを分解していくと、具体的な評価をしやすくなる。そこで、例えば、プレゼンテーションスキルであれば、アイコンタクトの秒数や、アイコンタクトをはずす方向というようにスキルを分解して評価すると、スキルレベルを具体的に評価しやすい(参照:「評価シートをみれば一目瞭然
実践できるかどうかが鍵
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