タイには安易に肉体関係が持てるナイト・エンタメが多い。女性向け、同性愛向けなど各種揃っている
東南アジアの中で人気のあるタイは、親日国家でもあり日本人にとって住みやすい国だ。在住者も年々増加しており、外務省が発表する在留邦人者数は最新の統計で72754人(2017年10月1日時点)となっている。前年比3.4%増で、アメリカ、中国、オーストラリアに続いて日本人が多い。国土面積から考えれば、日本人の密度はその3か国より高いと言える。
タイ在留邦人の約7.3万人のうち、20代男性は2147人、30代は6885人いる。独身か既婚かが統計上は把握できないが、ちょうど結婚に適した年齢層がこれくらいはいるということになる。しかし、近年は日本人男性とタイ人女性の国際結婚は少ない。
厚生労働省の人口動態調査における国籍別婚姻数では、日本人夫・タイ人妻の婚姻数は2000年の2137組がピークで、2013年からは1000組を割っている。統計最新の2016年度は970組だった。2016年の中国人女性と日本人男性婚姻数は5526組、フィリピン女性とは3371組、韓国・朝鮮人女性は2031組だったので、タイ人との婚姻数はアジア圏内では少ない。日本人妻でタイ人夫の組み合わせはもっと少なく、2004年に統計開始以来最大となったが、それでも75組で、2016年は32組。2012年からも30組台で推移している。
タイは微笑みの国とも呼ばれ、見知らぬ人でも目が合えば微笑を浮かべる習慣がある。特にタイ人女性は愛情深く、思いやりがあるため、日本人からだけでなく、世界的に高評価だし、タイに住んでいればタイ人女性と知り合うきっかけも多いのだが……。タイに暮らす若い独身日本人男性は誰と結婚しているのだろうか?
実は在タイ邦人数は女性の数が結構多いのだ。外務省の在留邦人者の統計では、企業駐在員などの同居家族としてではなく、本人が在留届けを在タイ日本大使館に提出している女性は6822人になる。また、同居家族を含めて婚姻適齢期とも言える20代女性は2247人、30代では4833人になる。総数では日本人男性が女性の倍はいるものの、20代30代に絞って見ると男性約9000人、女性約7000人とそれほど大きな差がないのだ。
特に女性は、統計からもわかるようにタイ人男性とあまり結婚しない傾向にあり、近年のタイでは日本人同士が結婚するようである。人数的にも同じくらいだし、知り合うきっかけが増えたのもその理由だ。同胞同士の方がわかりやすいということもあるが、最近のタイ移住者の傾向は経験を積むため、あるいはビジネスチャンスを見いだしてやってくる。性別に関係なく、同じ思いを持った人が多いので、意気投合しやすいのもひとつの理由なのだろう。
日本人向けのスーパーなどもあり、日本人同士が知り合う場面もバンコクならそこかしこにある
筆者がタイに移住した2000年代初めは、今ほど日本人もいなかったことから、日本人向けに特化したサービスというのはほとんどなく、少なくとも英語かタイ語が話せないと暮らしていけなかった。現地採用で日系企業に勤めるにも語学力が最優先だった時代だった。最近は、タイ人の留学も増えたことで英語や日本語を話す人が増えたこと、また日系企業が多いために日本語だけで仕事ができる業種もある。
日本人が日本の習慣で働ける環境が増えると、それに付随したサービス業なども発展して日本人がさらに増加する。中でも元気なのが女性で、女子会などもあちこちで開催されているし、男性と知り合うための合コンも頻繁に開かれる。有料のマッチングパーティーも定期的に開催され、毎回大好評で募集定員をオーバーし、何組かカップルが誕生する。
日本人経営のバーなども大盛況で、大手企業の工場長と、ライバル企業の一社員が一緒にカラオケを歌うというような、日本ではそう見かけない交流も起こる。こういった中で日本人同士が知り合い、結婚に至るのだ。日本なら異性を口説くにも共通の話題をまず探す必要があるが、少なくともタイで知り合う人たちには「タイ」と「日本」という共通項があるため、最初のハードルがないに等しい。同時に異国で働くことの仲間意識などもあって、タイで知り合った男女の結婚するまでのスピードは早い傾向にもある。
輸入物の生牡蠣なんて20年前には考えられなかったが、和食店のレベルが上がって、日本人の暮らしの幅が広がった