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孤独感が一般的に身体に悪いと言われる嗜好より体に悪いのではないか?」との説が世に広まったのは2013年のこと。ブリガムヤング大学のメタ分析で、友達がいなくてコミュニケーションが少ない人は、毎日飲酒することや喫煙などよりも全死亡率が高まるとの結論が出たのです(※4)。
この結論は大きな反響を呼び、その後も似たような研究が多く出ました。どうやら、孤独のストレスが免疫系にダメージを与え、早死にや認知症の発症を引き起こすようなのです。
この問題を解決するには、当然ながら友人を作る以上の道はありません。いったん孤独になった人は、ますます深い孤独にハマりこみやすいので、注意したいところです。
睡眠不足が体に悪いイメージは強いでしょうが、近ごろは、その悪影響が喫煙と同じかそれ以上かもしれないことがわかってきました。
有名なのは2015年にWHOが手がけた研究で、ロシアの男性870人を16年にわたって追跡調査したものです。その結果は以下のようなものでした(※5)。
・睡眠不足が続くと5~14年の間に心臓発作の確率が2.6倍になり、脳卒中の確率が1.5~4倍にはね上がる!
夜にぐっすりと寝ないのは、心疾患や脳卒中に繋がるリスクがあるのです。
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清涼飲料水」、なかでも砂糖や果糖ブドウ糖液などがたっぷり入った
エナジードリンクやジュースについては、体に悪いイメージは少ないものの、実はこちらも遺伝子にダメージを与える可能性が指摘されています。
2014年にカリフォルニア大学が行なった研究では、5,300人の男女を集めて普段どれだけ清涼飲料水を飲んでいるかを調べたうえで、それぞれのテロメアの長さと比較しました(※6)。
テロメアは染色体を守る保護キャップのようなもので、細胞の寿命をコントロールしています。これが短くなると染色体が不安定になり、結果として遺伝子の変異が起きやすくなる、すなわち糖尿病や癌にかかりやすくなるため、ヒトの長寿を左右する重要なポイントです。
そして、この調査でわかったのが、いつも清涼飲料水を飲みまくっている人ほどテロメアが短いという事実でした。この研究だけでは因果関係まではわからないものの、もし清涼飲料水がテロメアへのダメージ要因だった場合、その悪影響はかなり大きいということになります。