導入企業が相次ぐ「プレミアム優待倶楽部」ってどんなもの?

プレミアム優待倶楽部Wills Coin導入企業の一覧。ウィルズ社のサイト、プレミアム優待倶楽部ポータルより

 最近、株主優待制度を変更あるいは新設して、「プレミアム優待倶楽部」を導入する企業が増加している。 「プレミアム優待倶楽部」とは、さまざまな企業が導入しつつあるが、実はウィルズという会社が運営・提供している共通のプラットフォームを利用している。  ウィルズは、2014年10月設立。本社は東京都港区。事業内容は、「IR-navi」(注:国内外の機関投資家保有状況が閲覧でき、保有株数の推移や他社比較によるターゲティング、運用スタイルからの分析等ができる。また、投資家リスト及び面談履歴等の管理機能を搭載しており、IR業務全般をサポートするシステム)の運営、「プレミアム優待倶楽部」の運営、資本市場の調査・コンサルティング業務、コミュニケーションツールの企画・制作、IR、CSR、ESGのサポートなどを行っている。 「プレミアム優待倶楽部」は簡単に説明すれば優待ポイント還元のシステムではあるが、それだけの機能に留まらないのが特長である。電子版のIRニュース、事業報告書、株主通信、招集通知、説明会のご案内、株主アンケートや、社長メッセージなどを配信できるシステムでもある。

どのように導入されているのか?

 6月にも「プレミアム優待倶楽部」導入の決定を発表した企業が相次いだ。  ガーデニング関連製品の開発・製造・販売・輸入の大手で東証一部上場企業のタカショーは6月30日に、「優待制度の変更および新制度導入に関するお知らせ」というリリースで「プレミアム優待倶楽部」導入について発表している。 “新制度として「タカショー・プレミアム優待倶楽部」を導入し、5単元(500株)以上ご所有の株主様を対象とし、保有する株式数に応じ、株主優待ポイントを進呈する形に変更いたします。株主様の保有するポイント数に応じて、ガーデニング関連商品の他、お米やブランド牛などのこだわりグルメ、スイーツや飲料類、銘酒、家電製品、選べる体験ギフトなど特設サイトに掲載されている1,000点以上の商品からお好みの商品をお選びいただけます。選べる体験ギフトにはガーデニング教室なども検討しております。また社会貢献活動への寄付も可能です”とされている。  また、マザーズ上場のITサービス企業のチェンジも、6月14日に「株主優待制度の新設のお知らせ」として、プレミアム優待倶楽部導入を発表している。  “毎年9月末日時点の株主様に対して、その保有する株式数および保有期間に応じて、食品や電化製品、旅行や体験等の商品や特典と交換可能な株主優待ポイントを次の通り進呈いたします“という。  建設関係の作図、建設現場施工管理者派遣を中心としたジャスダック上場企業の夢真ホールディングスも同様だ。(参照:株主優待制度の新設のお知らせ) “「株主優待ポイント表」に基づいて、株主様へ株主優待ポイントを贈呈し、株主様限定の特設WEBサイト「夢真ホールディングス・プレミアム優待倶楽部」において、そのポイントと引き換えに、食品、電化製品、ギフト、旅行・体験および化粧品などの中から株主様が自由に商品・サービスと交換することができます”としている。
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導入の目的は「長期安定株主」獲得
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