豪雨の最中に納涼ビアパーティーに興じた自民党議員。本当に「先手先手」なのか?

なぜ災害よりパーティーが優先されてしまうのか

 7月7日に京都のホテルでパーティーをやっていたということは、外は酷い雨だったということになります。東京のホテルでやっていたというなら、どれだけ雨が酷いのかを体感することができず、想像力が欠如していたと考えられますが、雨に濡れながらホテルに駆けつけ、パーティーをしているわけですから、これはもう想像力が欠如しているのではありません。  災害対応よりパーティーが優先されたのです。常識で考えれば、こんなことになっているのにパーティーをやるなんて頭がおかしいんじゃないかと思うかもしれませんが、実は、パーティーが優先される理屈は分からないこともありません。なぜ、災害対応より「納涼ビアパーティ」が優先されるのか。それは「選挙に勝つための手段」だからです。本当は、災害が起こった時に誰よりも率先して被害を食い止めるための策を講じ、その活躍ぶりを人々に見せつけ、「やっぱり議員はあの人しかいない!」と思ってもらうのが理想なのですが、悲しいことに、こういう時にしっかり働いてくれる国会議員はそんなに多くないのです。  自民党の松川るい議員(参・大阪府選挙区)は、地元の七夕祭りに出かけ、大雨と地震からの復旧を七夕にお願いしました。石原伸晃さんの時にもツッコみましたが、被災地ですら「納涼ビアパーティ」なので、それ以外のエリアにいらっしゃる国会議員の皆さんは完全に「他人事」なのです。  結局、国民のために必死に走り回るより、パーティーをしたり、お祭りに参加したり、修養団体の講演会に参加して「勉強になった」と言っている方が票になるのです。だから、理屈の上では「災害対応を優先するべき」だということは分かっていても、それらを中止して災害対応に動き出すという議員はおらず、小手先の「復旧・復興に全力で頑張る発言」になってしまうのです。最近は選挙でしきりに「しがらみ無し」をアピールする候補者が現れるようになりましたが、しがらみがあった方が選挙に当選するのですから、議員にとってパーティーやお祭りが欠かせない行事になり、災害より優先されてしまうのです。  これは自民党の議員はもちろんですが、立憲民主党や国民民主党の議員だって同じです。国会議員にちゃんと仕事をしてもらうためには「組織票」なんてものが効果を発揮しなくなるくらい、僕たちがちゃんと選挙に行かなければならないのです。結局、巡り巡って自分たち有権者のせいでもあるのです。

本当に「先手先手」なのか

 安倍晋三総理は「政府一丸となって、先手先手で、被災者の皆さんの生活支援を行ってまいります」とツイートしています。しかし、ここまでのところ、7月5日に気象庁が異例の会見を開いて災害が起こるかもしれないと言っていたのに、安倍晋三総理はそれを無視して「赤坂自民亭」を楽しんでしまいました。翌日の6日は昼に15分くらい災害対策の会議に出席したものの、午後はマルッと「お休み」になりました。つい先日、過労死遺族の反対を押し切って「高度プロフェッショナル制度」を強行採決し、能力の高い人たちがどれだけ残業しても残業代を出してもらえなくなる法律を作り、これを「働き方改革」だと言っていたのですが、最も改革が必要なのは安倍晋三総理の働き方かもしれません。  結局、非常災害対策本部が設置されたのは7月8日の朝で、これを「先手」と呼ぶのだとしたら、あまりにスピードが遅いのではないでしょうか。もう少し早く対応していたら救える命もあったのではないかと思うと、この後手後手に回っている感じは反省材料でしかありませんが、終わってしまったことをグダグダ言っても仕方ありませんので、ここからは本当に先手先手で進めていただきたいのです。初動は失敗しているとしか思えませんので、これからも厳しい目で見守っていき、間違いがあったら指摘していきましょう。
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失敗を検証して責任の所在を明らかにせよ
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