異色の相場師が選ぶ、今年後半注目の「食」関連銘柄は?

個食化

景気の浮き沈みにかかわらずコンスタントな需要が見込まれる食品。高齢化社会の進展という時代の流れを受けて、特に“個食化”に対応した商品が人気を集めている

 世の中の注目が仮想通貨に一極集中して人々が浮かれ騒ぐ裏で、株で確実に、それも驚くほど儲けている人たちがいる。そこで今回、取材班は超人的な実績を誇る株の達人たちに徹底取材を敢行。世相を反映するテーマごとに、秘蔵の銘柄を聞き出した!

人間の根幹に関わる“食”関連銘柄 高齢化社会を見据えた分野にも要注目

 18歳から株式投資を始めて、実にそのキャリアが半世紀にも及ぶという鎌倉雄介氏。’10 年から開設したブログを通じて自らの取引の状況をつぶさに公開し、なんと勝率は9割。四季報の精査と徹底的なファンダメンタルズ分析で選び抜いた「鎌倉銘柄」は、日経平均株価のように大型株の全般的な推移と大きく異なるチャートを描きやすいという。したがって、相場全体が下げている局面でも“逆行高”しうるのだ。そんな彼の今夏の日本経済の展望は? 「年後半に向けて国内外の経済に大きな懸念材料はなく、日経平均の上下の値幅はそれほど大きくないでしょう。ただし、尾を引く加計・森友問題で安倍政権も盤石ではなく、地方では可処分所得や人口の減少が極めて深刻な状況。マスコミではその窮状がリアルに報じられていないのが気になります」  したがって相場全体の大幅上昇は期待しづらいものの、世界経済自体は堅調で下げリスクも小さいはずだという。そして全体相場がどのような情勢となっても、比較的安心して投資できるテーマに的を絞っておくのが堅実だと指摘。そして、鎌倉氏はその具体例として「食」に注目する。

広義の「食」関連銘柄に目を向けるべき

 彼のファンの間で「鎌倉銘柄」と呼ばれて特別視されているように、鎌倉氏が選ぶ「食」関連銘柄は一癖も二癖もあるものばかり。異色の相場師の銘柄選定は、単なる食品株だけでなく視野を広く持つのがポイント。なかには彼が長く追いかけてきた銘柄で、「食」以外の材料を抱えたものもある。 「老夫婦だけの家庭や独居老人、若者の単身世帯が増えていることを踏まえて、食品株では“個食化”に関連している銘柄を選びました。また、今年は猛暑になる可能性が高いためセイヒョーに注目。同社は森永乳業にアイスクリームをOEM供給しています」  そして残る2つこそ、まさに「鎌倉銘柄」の典型だ。ヒアリ騒動でも株価が噴き上げたフマキラーは、「食」の大敵であるゴキブリの駆除剤において画期的な新製品を投入。飲料搬送用のホースを手掛けてコカ・コーラやペプシにも納入しているクリヤマホールディングスには、米国でシェールガス・オイル増産という別の追い風も吹く。 「クリヤマホールディングスはシェールガス・オイルの専用ホースも生産しているのですが、中間決算が減益だったため増産のことは株価に反映されていません。PERは超割安水準です」
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