ちなみに、今回の選挙でも
2大右派政党であるPRIとPANは、投票前までメキシコの選挙で常習となっている
票を買っているという話も流れていた。「貧困と戦う市民行動」という組織によると、1253人の有権者に尋ねたところ、
PRIはおよそ530万人、
PANは490万人の有権者に「カネで買う」ことを誘っていたとし、全体の8900万人の有権者の中では、3000万人の有権者が誘いを受けた可能性があるとしている。(参照:「
Hispan TV」、「
Contra Linea」)
それに対して、アムロは
若い層に訴えることを忘れず、「私は候補者の中で最も年上だ。しかし、現状に満足していない若者を我々が代表しているということを彼らは知っている」と述べて若者に支持を訴えた。今回の選挙で初めて投票する若者は
1200万人いたという。(参照:「
El Pais」、「
El Mundo」)
アムロの公約の中心は
犯罪と汚職の撲滅である。彼のこれから6年間の政権で犯罪を
30%減少させると公約している。それをどのようにして減少させるのかという説明はない。しかし、彼はメキシコ市長だった時に犯罪を減少させたという
実績はもっている。そして、彼が目標に掲げているのは
貧困への救済である。メキシコでは人口の半分は貧困者だとされている。
また、
米国への移民を減らすことも目標の一つとしている。
しかし、5月にはこれまでで最高の30億9700万ドル(33450億円)が米国に移民しているメキシコ人から家族らに送金されている。これはメキシコで生活している身内の者にとって重要な財源となっている。(参照:「
La Jornada」)
さらに、移民者を減少させるにはメキシコ国内での産業化と治安の安全確保が必要であるが、その為の具体案はアムロは公表していない。
ちなみに、北米自由貿易協定(NAFTA)については、メキシコに赴任している米共和党の代理人ラリー・ルビンによると、交渉の85%は既に進展が見られており、残り15%が9月には合意に至る模様だと述べている。よって、アムロが大統領に就任する12月1日までにはこの契約更新の問題は解決済みとなっているということを同氏はフランシスコ・セアによるニュース番組で語っている。(参照:「
Excelsior」、「
El Confidencial」)