地震・台風・ゲリラ豪雨……電車が止まったとき、どう対応すべきか?

乗り換え案内に頼りすぎない

 災害時には安全第一で止まってしまう鉄道。では、利用者にできることはないのか? 車内での”すし詰め”を経験したという男性は、「どんなに短時間でも電車に乗る時には飲み物を持っていたほうがいいということを痛感した」と語る。 「ほんの2駅だけの移動だったんです。それで油断していましたが、途中で停車して約1時間身動きが取れず。夏場の弱冷房車だったので、車内の温度は上がるいっぽうだし、混雑でほとんど身動きも取れない。ようやく出れたときにはぐったりで、危うく熱中症になるところでした」  たとえ駅との距離が近くとも、いったん車内にとどまることとなれば、そんなことは関係ない。普段、10分しか掛からない距離なのに、数時間すし詰めにされるなんてことも大いにあり得るのだ。こうした事態に対して、前出の鉄道専門誌の記者は「別のルートを複数把握しておくべき」だと言う。 「災害でダイヤが乱れたときには、駅係員に状況を尋ねようにも長蛇の列ができている。並んでいるうちに状況が変わることはよくあります。そのため、自分で判断して行動するのがベスト。いつも利用しているルート以外の代替手段を把握しておくべきです。並行している路線や迂回ルートだけではなく、タクシーやバスの発着が多いターミナルかどこにあるのか? どの駅からなら自宅まで歩いて帰ることができるのか? さらに、時間を潰したり、一次避難ができる商業施設や公共施設がどの駅にあるのかなども把握しておくといいでしょう」  たとえば、普段はA駅からB駅で乗り換えてC駅までというルートを使っているとする。その場合、最低でもA駅からD駅・E駅で乗り換えてC駅まで遠回りするというルートは知っておくべきだ。もし、C駅に直接行くことができなくても、A駅から15分歩いて別の駅からC駅から徒歩30分の別の駅まで行くことができるのならば、それを知っておくといざというときに役に立つというわけだ。こうした足も使った“遠回り”なルートは乗り換え案内などには表示されないが、万が一の事態では大きな効果を発揮する。 「さすがに駅員などは、こうした情報を把握しきれていません。また、壊滅的な被害の大地震ならともかく、台風や大雪などでは路線ごとに順次運転を再開していきます。大阪北部地震でも、私鉄は比較的早く運転を再開した。複数の代替ルートを把握しておけば、運転再開情報をもとにすばやく行動を決めることができる。もちろん鉄道だけじゃなくてバスのルートも頭に入れておきましょう。いつも使っている路線に頼り切っていてはいけません」(前出の記者)  これからの季節はゲリラ豪雨や台風でダイヤが乱れることも増えるはず。そんなときに駅で右往左往して結局コンコースに座り込んで夜を明かす……なんてことにならないためには、事前にさまざまな対策を取っておくことが不可欠なのだ。家族や職場との緊急時の連絡態勢はもちろんのこと、スマホの乗換案内でもはじき出されない“緊急時のルート”を知っておけば、人身事故などのダイヤ乱れでも役に立つはずだ。有事の際は、鉄道会社に対して文句を言うだけではなく、まずは自分でできることから対応していくべきだろう。 <取材・文/境正雄>
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