例年IPOが少なめの7月&8月は初値が上がりやすい!?[IPO投資]勝利の戦略
2018.07.01
これだけ儲かるのなら投資しない手はないのだが、IPO株は人気が高く、抽選制なので誰もが欲しい銘柄を購入できるわけではない。
IPO株はまず証券会社に割り当てられ、それを各証券会社による抽選や裁量によって応募した投資家に配分される仕組みだ。では、抽選制のIPO株を“当てるコツ”はあるのか。個人投資家のJACK氏に聞いた。
「できるだけ多く証券会社の口座を開設して申し込んだほうが、抽選に当たる確率が高まります。私は大手だけでなく、地場の中小の証券会社にも申し込んでいますよ。また、裁量という観点からすると当然ですが、その証券会社での取引が多い人も有利ですね」
となると、初心者にはなかなかハードルが高そうなのだが……。
「SBI証券にはポイント抽選というものがあって、ポイントの多い順に当選者を決める方式です。IPOに申し込んではずれると、1ポイント獲得できるのですが、このポイントをコツコツためて、ここぞというときに使うのです。まあ時間はかかりますが、配偶者や子供にも口座開設してもらえば多少はたまりやすくなりますね」
7月、8月は例年IPOが少なめの月ではあるが、そのぶん投資家の資金が集中しやすく初値が上がりやすい面もあるという。申し込む分にはタダなので、ここはわれ先にと手を挙げるべきだろう。
そうはいっても、抽選に当たるまでの道のりはかなり険しい。そこで現実的な投資手法として西堀氏が推奨するのが、上場間もない銘柄を狙う「セカンダリー投資」だ。高い初値をつけたIPO銘柄も時間がたてば過熱感は落ち着く。その後、有望な銘柄ならば再び上昇トレンドに転じやすいタイミングがあるという。
「そのタイミングというのが、業績予想の上方修正と決算短信の開示です。業績予想が上振れすると買いが集中し始め、株価が上昇しますよね。そして、いったんは落ち着くのですが、決算発表によって上方修正の確証を得たことで、再び株価は上昇トレンドに転じます。あわてて初値買いしなくても、この一連の流れのタイミングで買えば十分に儲けられます」
ここでのポイントは、IPO銘柄は業績予想が上振れしやすいということだ。
「上場予定の企業は審査にパスするために、実際の業績予想よりもかなり控えめな数字を出してきます。上場審査中に業績を下方修正したとたん、上場の承認が得られなくなりますから。しかし、実際の業績はよかったりするので、上場後1~2年の企業は業績予想が上振れしやすい。また、市場変更もIPO銘柄の株価が上昇に転じるひとつのタイミングですね。例えば、マザーズに上場した企業が1年後、東証1部に市場変更すると、機関投資家などが買いに走るので、株価が上がりやすくなります」
《上場後の決算発表や上方修正に注目》
上場後1年で大きく値上がりしたジャパンエレベーターサービスホールディングス(東マ・6544)。同社の初値は、公募価格の550円を62%上回る890円。その後、500円台まで低迷していたが同年5月の決算発表を機に888円を記録して上昇に転じる。それから2度の業績の上方修正を経て、半年間にわたって上昇曲線を描く。今年1月29日には年初来高値2799円を記録した
抽選に当たらなくてもセカンダリー投資を狙う
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