6月13日、上京して自民党幹部と面会した花角知事を直撃して質問するも「事実関係を知らない」と明らかに発言が後退していた
まさに確信犯的な選挙妨害(公職選挙法違反)ではないか。私の直撃に対して、長谷川氏は「文春の記者に聞いたのではなく、(永田町ウォッチャーの)ツイッターに書かれていた噂を話した。噂を広めるつもりはなかった」と反論した。
しかし、選挙戦を取材に来ていた『三條新聞』記者ら報道陣がいる「緊急選対会議」で、花角陣営選対幹部の肩書き「代表代行(ナンバー2)」を名乗って発言すれば、多くの有権者に広まることなど誰でもすぐにわかる。
新潟県知事選の告示日から現地に張り付き、自民党新潟県連にも出入りしていたのは、選挙プランナーの三浦博史氏。菅義偉官房長官と懇意であることでも知られる三浦氏にも、文春下半身ネタ記事化発言について聞いてみたが、「池田陣営の保育園問題はどうなのだ。その取材をしない限り、この件については答えない」と具体的な回答を拒否された。
花角知事の“知らぬ存ぜぬ”の対応、“実行犯役”の長谷川代表代行の流布否定発言、そして官邸とパイプを持つ選挙プランナー三浦氏の取材拒否――。「ルール違反をしてでも勝つ」という、日大アメフト部のような「確信犯的公職選挙法違反」の疑いは深まるばかりだ。今後、告発による捜査がどのように進むのかに注目だ。
【※虚偽事項公表罪】当選を得させない目的をもって公職の候補者に関し虚偽の事実を公にし、又は事実をゆがめて公にした者は、4年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する(公職選挙法第235条第2項)。
<取材・文・撮影/横田一>
ジャーナリスト。小泉純一郎元首相の「原発ゼロ」に関する発言をまとめた
『黙って寝てはいられない』(小泉純一郎/談、吉原毅/編)に編集協力。その他
『検証・小池都政』(緑風出版)など著書多数