注目される既存株主重視の増資法、「ライツ・オファリング」。投資家へのメリットとは?

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「ライツ・オファリング」という言葉を聞いたことがあるだろうか?  ライツ・オファリングとは、上場企業が資金調達をする手段の1つで、権利確定日時点に株式保有している投資家に対して、一般的に市場価格よりも低い価格で購入できる新株予約権を無償で割り当てるもので、「ライツイシュー」「新株予約権無償割当て」とも言われている。  ライツ・オファリングでは、既存株主は無償で割り当てられる新株予約権を行使して、(1)株式を取得する、(2)市場で売却して換金する、(3)権利行使も売却もしないで放置(ゼロ円になる可能性もあり)と、3つの選択肢を選ぶことができる。  また、ライツ・オファリングには、「コミットメント型」と「ノンコミットメント型」の2つの種類に大別される。 「コミットメント型」は、発行会社が主幹事証券会社との間で引受契約(コミットメント契約)を締結し、発行会社の資金調達額をコミットする資金調達手法である。一定期間内に行使されなかった新株予約権については、特定の証券会社が引き受けた上でそれらを行使する。  一方、「ノンコミットメント型」は、発行会社が主幹事証券会社との間で引受契約(コミットメント契約)を締結しない資金調達手法である。この場合、行使されなかった新株予約権は消滅するスキームである。 「一部コミットメント型」とは、一定期間内に株主又は新株予約権を取得した投資者に行使されなかった本新株予約権について、その一部を上限として特定の証券会社が引き受けた上でそれらを行使することを定めたコミットメント契約である。  丸三証券のマルサントレードでは、ライツ・オファリングの事例を参照することができる。(参照:丸三証券ライツ・オファリング銘柄情報)  ここには、2014年2月以降の14事例が掲載されている。2018年1月のフージャースホールディングスだけ「一部コミットメント型」であり、その他の13事例は全て「ノンコミットメント型」となっている。「ノンコミットメント型」では、未行使のまま残った新株予約権は、最終的に失権・消滅するため、実施会社は予定通りの資金を調達できないことがあり得る。しかし、「ノンコミットメント型」が多いのは、既存株主が新株予約権を行使しない場合に大量の新株予約権を買い取らなければならないリスクを主幹事証券会社が取れないからであろう。  また、全ての事例で、ライツ・オファリングで取得できる株式数は、1個につき1株である。既存株主から見ると、保有株数が多ければ多いほど、新株予約権を行使するにはそのための資金が必要になる。  ただ、公募増資や第三者割当増資と比較して、既存株主にとってのライツ・オファリングのメリットは、新株予約権を行使することにより、持分が希薄化することを抑制することができることだと考えられる。
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ライツ・オファリング、フージャースHDの場合
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