愛車見守りアプリ「駐禁ハチ公」開発元を直撃!「ドライバーの負担を少しでも軽減したい」

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mits / PIXTA(ピクスタ)

 一部ドライバーの間で知名度が高まっている、駐禁取り締まり警戒アプリ、『駐禁ハチ公』。いったいどんな会社が作っているのか? 交通ジャーナリスト吉田武氏が、その開発元である「ゴールド レーシング ガレージ(GRG)」へ突撃取材を敢行した。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  GRG社のホームページを頼りに青山へ向かうと、高級立地エリアにガラス張りのクルマのショールームといった、港区にありがちなハイソサイエティな社屋がお目見え。 『駐禁ハチ公』という、いかにもイロモノっぽいアプリを開発しているような雰囲気は感じられない。  突然の取材訪問で快く対応してくれたGRGのご担当者に、『駐禁ハチ公』について気になる部分をズバズバお伺いしてみた。 ――『駐禁ハチ公』は、スマホを2台使って、クルマへ設置したままな見張りのスマホが車両から離れている際に手持ちのスマホへ駐車監視員が近くにいることを教えてくれる、アナログ的発想を活かしたユニークなアプリですね。 GRG:スマホを2台持つことは経済的に厳しいかもしれませんが、携帯市場さんとロケットモバイルさんとでお話させて頂きまして、2台目のスマホ用を……つまり『駐禁ハチ公』専用にして頂く構想なんですけども、税抜価格で月額990円からデータ通信だけの機能を持たせたものを5月からご案内させて頂きました。 ――今や月額課金はポピュラーな時代になったので、やっていることは理にかなっていますね。月額課金制ではなく、売り切りという形でのアプリ展開はあるのでしょうか? GRG:それはないですね。『駐禁ハチ公』のアプリ自体は単体購入して、ご自身が2台スマホを所有している状態でしたら活用することはできますが、私たちが推奨するのはロケットモバイルさんから格安で提供して頂くサービスによってスマホ2台持ちを敷居の高さを緩和し実現させている部分ですので、駐車違反を未然に防ぐためには“スマホ2台持ち”を全国へ幅広く伝えていくことでもあるのです。 ドコモの回線を使用した低速データ通信になりますが、ネット使い放題で端末代コミコミ価格990円はかなり頑張ってもらいました。『駐禁ハチ公』ではメールで緑色を認識した瞬間に画像を送ってくれますので、低速通信で問題ないとの判断で価格を抑えてもらったんですね。それ以外の使い方をするとしたらウェブブラウジングやらオンラインゲームの通信なんかも使い放題ですので、2台目のスマホで敢えて遊ぶやり方も可能かと思います。 ――気になったんですが……技術的にどうやって緑の服を識別しているんですか? GRG:緑の服と言っても新しい方式を使ったり、夏場と冬場で衣装が違ったり、明るかったり暗かったりと、様々な状況を想定してスマホのカメラで拾うようにしているんで、色々間違ったものも画像として送られることも良くあります(苦笑)。認識力の高さが私たちの技術力の証だと自負している部分もありまして、駐車監視員以外で緑色の服や手荷物を持っている人を間違って認識してしまっても、未然に駐禁を防ぐことができればと思えば許される範囲かなと思っております。 ――なるほど。では、仮に駐車監視員が緑色の服でなくなったとしたらどうなってしまうんでしょうか? GRG:アップデートでいくらでも対応できますから全く問題ないです。『駐禁ハチ公』のカメラ認識精度には皆さんが想像する以上に優れた技術を投入してまして、何か問題があったとしてもスグに適応できるよう心がけております。 ちなみに『駐禁ハチ公』を日本だけではなく海外でも展開してくれないかとオファーも来ているんです。 ――海外展開の可能性もあるんですか? GRG:例えばシンガポールのパーキングエンフォーサーはオレンジ色の服が採用されていまして、海外は結構このオレンジ色系統が多いんですよね。 ――確かにアメリカもオレンジ色のラインが入ったベストを着たパーキングエンフォーサーがいます。遠目からでも認識しやすいようにしているそうですが。 GRG:サンフランシスコ、ロサンゼルス、そしてロンドンなんかも路上駐車がうるさいので、多言語で展開できるように『駐禁ハチ公』を海外仕様にも改良しつつ、なるべく早いタイミングで海外展開ができるよう鋭意開発中です。
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社長の失敗が開発のきっかけ
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