ヘイト動画を消滅させた「ネトウヨ春のBAN祭り」はネット上の革命だったのか?

ネトウヨ動画10万本が削除

 ちなみにYouTubeでは、同一アカウントの動画は2本削除されれば、2週間動画投稿禁止のペナルティが与えられ、3本削除された時点でアカウントは停止される。 「なんJ民」らの活動は加速する。Twitter上には「#ネトウヨ春のBAN祭り」(※「BAN」とはアカウントがサイト運営側によって停止されること)というハッシュタグが躍った。  多くの「なんJ民」がこの活動に参加しはじめると、今度は活動の効率化が図られた。始めは目につく違反動画を無作為に通報していたが、投稿数が多いチャンネル動画を優先して通報するようになった。  また動画タイトルやサムネイルがYouTubeのポリシーに反すると通報していたものの、動画内のどの部分(何分何秒の時点の動画)がポリシーに違反しているのか具体的に通報するようにもなった。  「5ちゃんねる」のネット掲示板「YouTubeのネトウヨ動画を報告しまくって潰そうぜ」にも5万件(50スレ)以上のコメントが付き、「なんJ民」の活動は完全に「祭り」となった。  本稿を執筆している5月30日の段階で、「なんJ民」らが確認したところによると、YouTubeから「ネトウヨ動画」がアップされている62チャンネルがアカウント停止や自主削除となり、動画数にして10万本以上が削除された。  そのような数々の動画をアップしていた投稿者側からは「言論の自由に対する侵害だ」、「言論弾圧だ」との声も上がるが、「言論の自由」と、他者を傷つける「表現による暴力」は明らかに違う。 「表現による暴力」は駆逐されて然るべきである。その点において、最終的なアカウント停止や動画削除の判断はYouTubeがしているという「なんJ民」の主張は至極正しく、その判断を下しているYouTubeに筆者は賛意を示したい。
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「ネトウヨ春のBAN祭り」はネット上の革命なのか?
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