退職者を量産したバー店主が語る。“いまの世の中「サラリーマンから足を洗いたい」と考えるほうがマトモ!?”
格差は「根性で何とかなる」ものではない
それを何となくでも感じ取っている、肌身でわかっているという人は、「サラリーマンから足を洗いたい」という言葉に違和感なく頷く。「意味がわからん」と感じる人は、「失われた20年」の前の価値観で生きている。気づかない人は、幸か不幸か。 「いい会社に入れば、いい会社に居れば……」なんて考えは時代錯誤も甚だしい。
かつてあった「24時間、戦えますか」というコマーシャルを見て、「アタイも頑張る!」と思えるような人は頑張ればいいだろう。空回りして、スリップして、動けなくなるかもしれないが。今の政界も経済界も、うわべでは時代に即したことを口にするが、いまだ根性論ばかりに見える。
アベノミクスがそうだ。根性で何とかなる時代ならいいが、根性を出すとウツウツとして死んでしまいかねない。事実、根拠レスな根性論のアベノミクスは、経済成長など産まずに格差だけを産んだ。そうなるなんてわかりきっていたことだ。
根性論でなく、経済構造の事実に目を向けないからだ。愛国心が好きな、この国のトップに君臨していると勘違いしているヤカラは、マヌケなやつらばかりで腹が立つ。嫌気がさす、未来が奪われる。
しかし愚痴ばかり言ってはいられない。俺らは自然の死を迎えるまで、愉快に生き延びていきたいからだ。
雇われないで、生き延びる
30歳で脱サラ。国内国外をさすらったのち、池袋の片隅で1人営むOrganic Bar「たまにはTSUKIでも眺めましょ」(通称:たまTSUKI) を週4営業、世間からは「退職者量産Bar」と呼ばれる。休みの日には千葉県匝瑳市で NPO「SOSA PROJECT」を創設して米作りや移住斡旋など地域おこしに取り組む。Barはオリンピックを前に15年目に「卒」業。現在は匝瑳市から「ナリワイ」「半農半X」「脱会社・脱消費・脱東京」「脱・経済成長」をテーマに活動する。(株)Re代表、関東学院経済学部非常勤講師、著書に『次の時代を先に生きる』『減速して自由に生きる』(ともにちくま文庫)など。
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