次に、「悪質タックル問題 日大前監督とコーチ会見 全文5」0:04:17~の井上前コーチによる発言です。
「ただその~、定期戦が、なくなってもいい、ってことは、言ってないかな、はい」
という発言の中で、唇のプレス+眉間のしわ+眉の内側の上昇、語尾の声のトーンの低下、言語的ためらい、首傾げが観られます。この「発言をしていない」ということについて、
かなりの程度、自信がない状態が推定されます。
コーチによる宮川選手に対する、ケガ及び今後の定期戦に関する言動があったのか否か、あったとしたらならばどんな文脈で、やり取りの中でなされたのか、関係者証言を交えながら、事実関係について精査が必要です。
そして、会見の最後の方で記者より、このままだと宮川選手一人が刑事事件で立件される可能性があるがコーチはどう思うか、と問われる場面があります。
⇒【動画】はコチラ https://youtu.be/LEnCs427-7M
「悪質タックル問題 日大前監督とコーチ会見 全文16」0:02:20~
井上前コーチは、「正直、それは望んでおりません」と首・視線を下げながら、唇をプレスし、眉の内側を上げ眉間にしわを寄せます。これは
恥・罪悪感・苦悩の混合感情を意味します。
本発言時に限りませんが、井上前コーチは本会見時、
多くの苦悩表情や恥、罪悪感、後悔に関わる表情を浮かべています。
これは
「言うに言えない言うべきこと」を抱いた葛藤状態であり、井上前コーチが本来、誠実な人物であるからこそ生じる状態なのだと思えます。
本件が指導陣と宮川選手のとの単なる誤解にせよ、指導陣により相手選手へのケガを推奨する意図的な指導があったにせよ、そのどちらかは現時点ではまだはっきりしませんが、
井上前コーチは宮川選手に申し訳ないという気持ちを抱えていることが推定出来ます。
今後の捜査や調査において、井上前コーチは事実関係を今一度思い出せる、語れる可能性を秘めていると思われます。真実の解明がなされることを期待しています。
【清水建二】
株式会社空気を読むを科学する研究所代表取締役・防衛省講師。1982年、東京生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、東京大学大学院でメディア論やコミュニケーション論を学ぶ。学際情報学修士。日本国内にいる数少ない認定FACS(Facial Action Coding System:顔面動作符号化システム)コーダーの一人。微表情読解に関する各種資格も保持している。20歳のときに巻き込まれた狂言誘拐事件をきっかけにウソや人の心の中に関心を持つ。現在、公官庁や企業で研修やコンサルタント活動を精力的に行っている。また、ニュースやバラエティー番組で政治家や芸能人の心理分析をしたり、刑事ドラマ(「科捜研の女 シーズン16」)の監修をしたりと、メディア出演の実績も多数ある。著書に『
ビジネスに効く 表情のつくり方』(イースト・プレス)、『
「顔」と「しぐさ」で相手を見抜く』(フォレスト出版)、『
0.2秒のホンネ 微表情を見抜く技術』(飛鳥新社)がある。
株式会社空気を読むを科学する研究所代表取締役・防衛省講師。1982年、東京生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、東京大学大学院でメディア論やコミュニケーション論を学ぶ。学際情報学修士。日本国内にいる数少ない認定FACS(Facial Action Coding System:顔面動作符号化システム)コーダーの一人。微表情読解に関する各種資格も保持している。20歳のときに巻き込まれた狂言誘拐事件をきっかけにウソや人の心の中に関心を持つ。現在、公官庁や企業で研修やコンサルタント活動を精力的に行っている。また、ニュースやバラエティー番組で政治家や芸能人の心理分析をしたり、刑事ドラマ(「科捜研の女 シーズン16・19」)の監修をしたりと、メディア出演の実績も多数ある。著書に『
ビジネスに効く 表情のつくり方』(イースト・プレス)、『
「顔」と「しぐさ」で相手を見抜く』(フォレスト出版)、『
0.2秒のホンネ 微表情を見抜く技術』(飛鳥新社)がある。