ANTA、PEAK、LI-NING……NBAで地位を築きつつある「中国ブランド」シューズ

世界初の3Dプリンター製バッシュを出したPEAK

ドワイト・ハワードはPEAKの重要なスポークスマン

 Peak Sport Products(匹克體育用品有限公司)は1989年に創設された企業で、海外市場調査の専門会社「Frost & Sullivan」の2008年時点の調査では、スポーツシューズブランドの中で中国ブランドとしてはもっとも高い認知度だったという結果がある。  やはりPEAKもNBA選手へのサポートは活発に行なっている。サンアントニオ・スパーズのトニー・パーカーやシャーロット・ホーネッツ所属で強靭な肉体でリバウンドを取りまくるドワイト・ハワードなどをPEAKチームに擁している。2017年8月には、世界初の3Dプリンター製バスケットボールシューズを発表している。  この発表リリースで、ドワイト・ハワード選手は「この1足のシューズは明らかに従来のものより高い性能を持っている。3Dプリンター製のソールと側面のわく革がより快適な履き心地を可能にしていると感じた。おそらく将来のいつか、皆さんは私がNBAの試合で、PEAK 社のR&D(研究開発)に基づきデザインした3Dプリンター製のバスケットシューズをはいているのを見ることになろう」と語っている。

ロス五輪金メダリストが創業したLI-NING

大ベテラン、ドウェイン・ウェイドはLI-NINGのサポートを受ける

「LI-NING」(李寧有限公司)の名前は、体操競技に詳しい人ならばピンと来るのではないだろうか。その創業者は、ロサンゼルスオリンピック体操金メダリストの李寧(リーニン)選手その人である。中国国内ではANTAやPEAK以上の知名度を誇り、ResearchInChinaによる2016年時点の調査では、中国国内シェアではナイキ、アディダス、ANTAに続く第4位、SNS「微博」のフォロワー数ではナイキ、アディダスに続く第3位となっている。  アメリカ進出も上記2社よりも早く、2010年の段階で中国スポーツ用品メーカーとして初めて米国小売市場に進出し、オレゴン州に小売店舗を開設している。NBAでのシェアも前述したように中国ブランドとしてはアンダーアーマーに次ぐ2%ともっとも多い。  日本ではバドミントン用品としては知名度が高いが、世界的なマーケットで同社が力を入れているのはやはりバスケット。2004年アテネ五輪男子金メダルのアルゼンチン代表チーム、2006年男子世界選手権優勝のスペイン代表チームとユニフォーム提供の契約を結ぶなど、グローバルに売り込んでいる。  当然NBAプレイヤーのシグネチャモデルも出しており、現在マイアミ・ヒートに所属するベテラン選手、ドウェイン・ウェイドがリーニンのサポートを受けている。
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日本のNBAファンの間にも高評価!?
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