今回の延期について、IST社長の稲川貴大(いながわ・たかひろ)氏は会見で、「ロケット開発は難しい」と振り返るも、「これまでも、試験の中でさまざまな不具合が出てきた。しかし、早いスピードで解決し続けてきており、それが可能なチームの体制もできている。今回の問題も、そうした開発の流れの中で解決できると思う」と語る。
同社創設者の堀江貴文(ほりえ・たかふみ)氏は「深刻なトラブルではない。安全側に寄った判断」と語り、「原因はほぼわかっている。時間をかければ解決できるトラブルだと思う」と、今後に期待を見せる。
また、「これまでのロケット開発の中で、“出口の見えないトラブル”もあった。それに比べれば今回のトラブルは平気」と、過去を振り返っての想いも吐露。「たとえばエンジンのインジェクター(ロケットエンジンの重要な部品のひとつ)の開発は難航し、何十回も失敗を繰り返した。飛んでいった部品を拾うため畑の中を探し回ったこともある。そのときの焦燥感に比べれば、(今回のトラブルは)楽観視できる」と語った。
堀江氏はまた、同社のロケットならではの難しさもあったと語る。
「我々のロケットは、コストを大幅に下げるために汎用品を使っている。今回のトラブルも、たまたま今回ロケットに使っていた個体に問題があったのかもしれないが、もしかしたらバルブに汎用品を使ったことが原因かもしれないし、汎用品でも別の型番なら大丈夫かもしれない。それを特定するには難しく、時間が必要だ」。
そして「もし、汎用品ではなく、部品ひとつから自分たちで作っていたらすぐに原因がわかったかもしれない。だが、我々はコストダウンを狙うため汎用品を活用している。そして、こうした問題を乗り越えていくのが我々のミッションだ」と続け、汎用品を使ってコストダウンを図るというというコンセプトを、さらに突き詰めていく考えを示した。
MOMO 2号機と、同社社長の稲川貴大氏(左)、同社創業者の堀江貴文氏(右) Image Credit: インターステラテクノロジズ