ISTが開発した観測ロケット「MOMO」2号機 Image Credit: インターステラテクノロジズ
北海道のロケット企業インターステラテクノロジズ(IST)は2018年4月30日、観測ロケット「MOMO」2号機の打ち上げ実験の実施を、今年の夏以降に延期すると発表した。
当初はゴールデンウィーク中の打ち上げを予定していたが、打ち上げ準備中にトラブルが発生。同社は今後、改良や再試験などを入念に行い、万全の状態で再挑戦したいと語る。
MOMO 2号機はインターステラテクノロジズ(IST)が開発した観測ロケットで、高度100kmの宇宙空間に、観測装置や実験装置などを打ち上げることを目的としている。1号機は昨年7月に打ち上げられ、エンジンの性能などの実証は果たしたものの、トラブルにより宇宙空間には到達できなかった。
同社ではトラブルが起きた箇所を改良した2号機を開発。4月28日にも打ち上げ実験に挑む予定だった。しかし、28日は機体の確認に時間がかかったため延期。翌29日に再設定された。
しかし29日には、打ち上げ準備中に、機体の各所にあるバルブを動かすための窒素ガスが漏れていることが判明した。
その原因と考えられた部分は、1号機から設計変更をしたところで、改修はすぐに完了。しかし、根本的な原因が他にある可能性が否定できず、またロケットというシステム全体での試験が必要でもあることから、さらに打ち上げが延期されることになった。
当初、打ち上げ予備期間として5月5日まで日程が確保されており、ゴールデンウィーク中に再挑戦の可能性もあったが、3日以降は天候の悪化が予想されたことや、「ロケットを万全な態勢で打ち上げたい」という考えなどから、今夏以降への延期が決定された。
MOMO 2号機 Image Credit: インターステラテクノロジズ