ギャンブル場のまわりは本当に治安が悪いのか? 依存症・カジノへの課題を考える

レース場住民の話から見える依存症・カジノへの課題は?

 ここまでの話から見えてくるのは、 ・住宅街への配慮 ・長時間レース場に出入りするようになる客への対応 ・人が集まるということに対する地域振興効果  が大きいポイントだろう。また、レース場とカジノについて大きな違いは「営業時間」だ。レース場は最近ナイターレースが増えた、といっても夜9時ごろまでにはレースは終わり、交通機関がある時間内までに収まるわけだが、基本的にカジノになると24時間営業が想定されるだろう。  すでにIR候補地として立候補している地域と呼ばれる場所は住宅街から離れた地域が多く、候補地にはその配慮がある程度なされていると言えるが、とはいえ少ないといえども住民がいるような場合には、特に深夜における俗に言う「スッカラカン」な客が町を徘徊するような事態は治安に直結するわけで、これを避けるような施策(宿泊場所を確保しているかどうかを深夜滞在の条件とするなど)が必要そうではある。  また、交通手段を深夜まで確保するという考えもある。夜行バスなどの営業がそれにあたるかもしれない。(参照:「東京でも「ナイトバス」活用を…木曽崇氏」読売ONLINE)  また、長時間ギャンブル施設に居ることなどによるギャンブル依存症への問題については、結局は「負けが大きくなって止まらない」ことへの対策に尽きる。別に勝ってる人や借金することなく楽しめてる人には関係のない話だからだ。  そこでは、交通系ICカードが今や帰りのお守りになっているように、短期的には身動きとれず周りに迷惑をかけるような事態の回避としての方策や、長期的には回数制限やカウンセリングへの自然な誘導策というのが現在検討されている。どういった運用になるのか、レース場側からしても参考になる話となるだろう。  IRには日本で大幅に不足している国際会議・展示施設や宿泊施設の建設などが目的として大きく含まれている。カジノはその経営の屋台骨になるため、うまく地域の住民と共生できるような形や手法が生まれることを期待したい。ひいては現状ギャンブル依存症対策が遅れている既存のレース場、ギャンブル施設でもそれらが相互に取り入れられ、嫌悪感を持つ人達にも理解してもらえるIR振興、レース場振興になることを願うばかりだ。 【シグナルRight(佐藤永記)】 半勤半賭のセミギャンブラー。Twitterやニコ生『公営競技大学』にて公営競技について解説をしている。@signalright 公営競技大学
公営競技ライター・生主。シグナルRightの名前で公営競技の解説配信活動「公営競技大学」を個人運営している。また、日刊SPA!のギャンブルコーナー勝SPA!編集担当も。Twitter:@signalright
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