繁華街にとってはむしろ気にならない。呼び込みにうまく活用
また、もともと繁華街の地域でレース場や場外発売所が存在する場所にとってはむしろ商売のタネであり、昨今の場外発売日数の増加は歓迎の意向である。都心にある場外発売所付近の居酒屋で働くCさん、Dさんは
「ギャンブルもイベントの一つ。客層がギャンブル好きな点なだけで、コンサートとか他の娯楽施設のようなものと何も変わらないですよ。治安だけの話をしたら、近所の別のアミューズメント施設の客層のほうが遥かに悪い。ギャンブル客は勝っても負けても居酒屋に寄ってくれるし、大勝ちした客が大盤振る舞いしてくれるので大歓迎です」(Cさん)
「その日の最終レースが大荒れだったか、堅かったかをスマホで確認して、呼び込みのセリフを変えるんですよ。堅かったらみんな所持金はほどほどなことが多いので割安な飲み放題セットを勧めますし、大荒れだった日には一押しの高級メニューやハイレベルのセットを思い切って呼び込みで言うようにしますね」(Dさん)
筆者も昔、レース場近くの居酒屋の呼び込みバイトでその日のレース結果をワードに入れて好成績だった
また、Cさんは昔と今の違いについても語ってくれた。
「昔は交通費まで使い込んで帰れなくなって問題を起こす輩も居たらしいですけど、今はまず聞かないですね。店に来る客が言うには、今は交通系ICカードがあるから交通費まで使い込んで帰れなくなることはないんだ、って話でした」(Cさん)
地方になると集客を渇望する所まである。地方の某レース場近くに済むEさんはこう語る。
「そもそもうちの町にはレース場くらいしかよそから人が来るようなものがない。昔は多くの人が来てくれたのに今は少ない。年に1回の有力選手が集う開催くらいしか人が入らない状況になってしまって、多くあった宿泊施設も廃業に追い込まれてしまったよ」(Eさん)
公営競技そのものの売り上げはネット投票の普及でここ数年は下げ止まり、上昇傾向にあるが、その分レース場に直接行く人の数が減っている現状になり、それが町の宿泊施設の減少と絡み合ってより悪循環が生まれているという。その割にはネット投票で売り上げが保っているのでレース場そのものは経営が成り立っている。