タワーホール船堀は高さ115m。あの通天閣108mよりも高い。
4月19日の深夜、テレビ朝日のマツコ・デラックスさん出演深夜番組『夜の巷を徘徊する』での桜めぐり企画。そのなかで訪れた新川千本桜を鑑賞する場面にて突如話題になったのが「船堀タワー」(正式名称・タワーホール船堀)だ。
高さ115mを誇るタワーホール船堀を見た番組スタッフが「東京3大タワー」と言うとマツコさんは「何でも3大って付けりゃいいってもんじゃない」と苦言を呈したものの、江戸川区育ちの筆者にとってはタワーホール船堀が話にもち上がっただけで有り難いことだ。
新川千本桜の西端にある櫓とタワーホール船堀。すでに桜は散ったが、番組でも映された角度から(筆者撮影)
東京にあるタワーといえば、スカイツリーと東京タワー。世間一般的にはこれで終わりだろう。だが、東京には第3のタワーがあるのだ。船堀にタワー、そしてその存在の意味を探ってみた。
地元の人々もあまり理解していないタワーホール船堀の「目的」
船堀駅北口。正面にある建物はすでにタワーだ
放送後の週末に、タワーホール船堀前の船堀駅を利用する江戸川区民に『船堀にタワーがあることををどう思いますか?』と尋ねたところ
「なぜ地元にタワーがあるのかはよくわかりません」(20代女性)
「テレビで見たので初めて来た。区民だが存在を知らなかった」(10代男性)
おおむねこんな回答になった。船堀にタワーがなぜあるのかを知る人は少ない。なにせ江戸川区育ちの筆者も知らない。
「
タワーの頂点には360度見られるカメラがついています。江戸川区は0メートル地帯が多く、
災害が発生した際に状況を確認できる施設として防災目的で建てられました」
教えてくれたのは、「タワーホール船堀」の指定管理者となっている株式会社アターブル松屋の職員さん。
「江戸川区は昔、
区内に結婚式場や映画館が一つもありませんでした。区民からの要望も高く、区としての複合施設を建設することになりました。その際、さらに建設地となった船堀が江戸川区のほぼ中心に位置するため、防災用の江戸川区中を見渡せるタワーも建てよう、となりました」