2022年に「宇宙ホテル」が開業? お値段は12日間で10億円、米ベンチャーが発表

オーロラ・ステーションの想像図 Image Credit: Orion Span

 2022年、休日は宇宙ホテルで贅沢なひとときを。ただしお値段は10億円なり――。  米国のベンチャー企業オライオン・スパン(Orion Span)は2018年4月5日、こんな壮大な計画を発表した。この宇宙ホテルの名前は「オーロラ・ステーション」(Aurora Station)。最大4人の旅行者を乗せ、12日間にわたって宇宙に滞在できるという。  三ツ星ホテルならぬ、ホテル自身が星になるこの計画は、はたして実現する可能性はあるだろうか。

NASAの技術者も参加した宇宙ホテル

 オライオン・スパンは、ソフトウェア技術者で起業家のFrank Bungerさんによって設立された。また、米国航空宇宙局(NASA)で宇宙ステーション関連の仕事に従事していたエンジニアが参加している。  オーロラ・ステーションの全長は約13m、直径約4mで、内部は大型のビジネス・ジェット機ほどの広さをもつ。船内には2人の乗員、4人の乗客の合計6人が、12日間にわたって滞在できる。打ち上げは2021年、運用開始は2022年からを予定しているという。  ステーションは高度320kmの軌道をまわり、約90分で地球を一周する。旅行者は眼下に広がる美しい地球の姿を眺めたり、一日の間に16回の日の出と日の入りを見たりすることができる。  船内にはスイート・ルームのほか、VRを使った娯楽スペース、高速無線インターネットなど、ホテルとしての機能もしっかり用意されている。宇宙ホテル、あるいは民間の宇宙ステーションを建造するという計画はすでにいくつかあるが、同社はとくに“ラグジュアリー”であることに重点を置いている。  旅行者は打ち上げ前に訓練を受けることになるものの、その内容は従来の宇宙飛行士が2年かけて行っていたことを踏襲しつつ、合理化によって3か月にまで短縮するという。宇宙飛行に必要な知識の座学をオンラインで行ったり、自社の施設で訓練を行ったりすることで合理化を実現するとしているが、具体的な方法は不明である。  またステーション同士を合体させ、さらに広くすることもできるという。さらにホテルとしてだけでなく、国の宇宙機関の宇宙飛行士が滞在する場所としても、微小重力(いわゆる無重力)環境を利用した実験や試験を行う場所としても使用できるなど、幅広い活用を見込んでいる。

オーロラ・ステーションの内部の想像図 Image Credit: Orion Span

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