ハワイにもバイクシェアが登場! 「Biki」CEOが語るシェアエコノミーの可能性

 まずはロリにバイクシェアの歴史について聞いた。 「現在のような形で行われているバイクシェアの始まりはフランスのパリになります。元々は広告会社が自転車に広告を貼り付けるということで売り出したのが始まりです。それを見て、次は同じフランス語圏ということもあってかカナダのモントリオールに広がり、そこから北米つながりでワシントンDCへ、そこから全世界へ広がりを見せていきました。世界的にみると、ハワイは結構遅いほうなのですよ」  実際、Bikiはまだ2017年に始まったばかりである。 「6月28日からですから……まだ半年たっていませんね」  顧客はどんな人たちなのだろう。 「創業3か月の時点で統計を分析してみると、43%が会員権を購入したメンバーで、その大部分が地元住民でした。つまり残り57%がビジター、またはキヨスクで購入した人たちということになります。地元住民と訪問者の両方から支持を得られているということで、私たちは現時点でのこの結果を喜んでおります。新しい結果については、六か月が過ぎたところで改めて分析しなおす予定です」  立ち上げ当時、どのようにして宣伝広告を図ったのだろう。 「私たちはお金を払って広告を打つことはありませんでした。ただこの事業自体が物珍しいということでメディアが積極的に取り上げてくれたこともあり、宣伝広告費用を出す必要はありませんでした。そして私たちは注意深く、そして戦略的にステーションの場所を選んでいきましたし、自転車も水色に塗って特徴のある形にしましたのでどこでも目に付くようになり、その効果は大きかったと思います」  なぜ、水色なのだろうか。 「ハワイといえば、何を思い浮かべますか?やはり美しい海と青空でしょう。なので、そんなハワイを象徴する色として水色をベースにしました。そして車体の一部にある黄色は太陽をイメージしています。私たちが考えたのは、とにかくよく見える車体にしたいということでした。よく見えるということは、安全につながりますからね。つい数週間前にボストンへ行ったのですが、その際に見たバイクシェアの自転車はまるでボストンの空のように灰色でした。これだと目立たないんですよ。明るい色のほうが人も幸せな気分になれると思いますし、車からもよく見えるという意味でも水色を選んだのはよかったと思います」  Bikiという単語にはどのような意味を込めているのか? 「Bikiとはバイク(Bike)とハワイ語で“速い”を意味するWikiを組み合わせたものです。その上で私たちが重視したのはどこの国の人でも発音できる単語にするということ、ですからLもRもThもない単語を選ぼうとしました」 「まさに日本人のための単語選びですね」  筆者は冗談半分、本気半分でまぜ返した。 「ある意味そうですね。私自身かつてプエルトリコで暮らし、スペイン語に必ず付きまとう巻き舌音には困らされました。だからこそ発音できない辛さがわかるのです。もう一つはブランド名がそのまま動詞になる、短い単語にすることが重要でした。たとえば、インターネットで検索することを“グーグルする”と言うでしょう。ですから歩く代わりにBikiを使って移動することを“XXまでBikiする”と言えるような、そういう状態を目指しています」  ということで、次回はBikiの収益と自転車本体について掘り下げていく。 【タカ大丸】  ジャーナリスト、TVリポーター、英語同時通訳・スペイン語通訳者。ニューヨーク州立大学ポツダム校とテル・アヴィヴ大学で政治学を専攻。’10年10月のチリ鉱山落盤事故作業員救出の際にはスペイン語通訳として民放各局から依頼が殺到。2015年3月発売の『ジョコビッチの生まれ変わる食事』(三五館)は12万部を突破。最新の訳書に「ナダル・ノート すべては訓練次第」(東邦出版)。  雑誌「月刊VOICE」「プレジデント」などで執筆するほか、テレビ朝日「たけしのTVタックル」「たけしの超常現象Xファイル」TBS「水曜日のダウンタウン」などテレビ出演も多数。公式サイト
 ジャーナリスト、TVリポーター、英語同時通訳・スペイン語通訳者。ニューヨーク州立大学ポツダム校とテル・アヴィヴ大学で政治学を専攻。’10年10月のチリ鉱山落盤事故作業員救出の際にはスペイン語通訳として民放各局から依頼が殺到。2015年3月発売の『ジョコビッチの生まれ変わる食事』は15万部を突破し、現在新装版が発売。最新の訳書に「ナダル・ノート すべては訓練次第」(東邦出版)。10月に初の単著『貧困脱出マニュアル』(飛鳥新社)を上梓。 雑誌「月刊VOICE」「プレジデント」などで執筆するほか、テレビ朝日「たけしのTVタックル」「たけしの超常現象Xファイル」TBS「水曜日のダウンタウン」などテレビ出演も多数。
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