「キャメリシャス」ブランドのキャメルミルクから作られたラクダバター(ギー)
ラクダミルク飲料だけで10種類以上。予想以上にバリエーションが多かった
このように、近年の中東におけるラクダミルクの開発競争は激しいものがあります。
中東諸国ではそこまで名物と呼ばれるものが少ないため、海外の人がステレオタイプで持っているラクダという存在に依拠した商品開発を行なっていると考えられます。
「キャメリシャス」の輸出担当部長のムラリ・ラマムルシィーさんに今後の展開について聞くと、このように語ってくれました。
『キャメルミルクの製品はまだ飲料、バター、粉ミルクだけです。商品開発の余地はいくらでもあり、今後牛乳と同じようなラインナップの商品を増やしていきたいと考えています。ここ数年で飲料系では10個以上の新商品を生み出したし、ドバイモールの中では弊社が提供するキャメルミルクが入ったカフェラテを飲むことができます。まだ単価は高いですが、今後はスーパーマーケットだけではなく幅広いカフェでも提供できるような規模にしていきたいです』
ラクダのミルクは低カロリー低脂質と言われますが、その低脂肪のためか人によっては大変水っぽい味がするという評価があります。
そのためキャメルミルク単体よりも他のスパイスやハーブなどと一緒に混ぜて飲料として提供しておりタイム、サフラン、チョコレートのようなある程度味の強いものと一緒に混ぜるものが多く、今後のますますラインナップが増えるそうです。
また飲料や粉ミルク、ヨーグルトだけではなく、アイスクリームも充実するようになりました。「キャメリシャス」でもアイスクリームを作っていますが、アイスクリーム専業では「ノウク」という会社もあります。
キャメルミルクのカップアイスクリーム専門のブランド「ノウク」
アイスクリームは中東ならではのフレーバー。左からサフラン味、ピスタチオ味、バクラバ(中東のお菓子)味がある
日本ではちょっと想像のつかない、ラクダミルク製品。日本でも見かけるようになる日は来るでしょうか。
【鷹鳥屋明】
たかとりや・あきら。大分県出身。大学で歴史学を学んだ後、重電メーカー、商社などを経て、日本と中東の合弁ベンチャー企業に勤務。個人的な活動として日本と中東各国で、アラブ民族衣装服を完璧に着て日々の仕事を行っていることから多くのメディアに取り上げられInstagramのフォロワーが約7万人、ツイッターのフォロワー3万人突破。中東と世界に日本文化、技術、文化を伝える語り手となるべく奮闘中。アラブ情勢について日本のテレビ番組でコメンテーターを務めることも。
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