<平昌五輪>女子アイスホッケー南北合同チーム、意外と和気あいあいだった

 2月9日から開催される、平昌冬季五輪で最も注目されているのが、韓国と北朝鮮が唯一合同チームを組んだ女子アイスホッケーだ。  現地報道によれば、20代、30代の若者を中心に、南北合同チームに対する批判的な声も聞かれるが、その実態はどうなっているのか。同じ競技、近しい年齢といえども、政治や生活環境がまったく異なる、韓国と北朝鮮の選手が、一つのチームで、ましてオリンピックという舞台で、その力を発揮できるのか。  様々な興味や関心を持って取材合戦が過熱する女子アイスホッケー合同チーム。その実態は意外にも――。  1月28日、韓国・忠清北道鎮川(ジンチョン)選手村で、南北女子アイスホッケーチームの合同練習が始まった。  今回の合同チームを率いるカナダ人のサラ・モーリー監督は26~27日にかけて、北朝鮮選手側の練習を視察。二日間で選手たちのスケート能力、パス技術、視野など技術的な力量だけでなく、積極性や攻撃性、性格に至るまでを分析した。  報道によると、選手たちの情熱的な姿勢に、モーリー監督は終始満足した表情で見守ったとされている。  北朝鮮側の選手をよく知るアイスホッケー関係者は「北朝鮮選手の長所である体力をどのように活用するか、非常に見もの」と期待を示す。  同日午前には、合同チーム35人をA・B二つのチームに分けて、戦術練習を行い、午後には北朝鮮の選手12人を2人ずつ(攻撃1人、守備1人)全員配置してミニゲームをしながら、チームへの適応力を評価した。練習中、南北選手同士が共に走りながらコミュニケーションをとる姿も、多く見られた。  北朝鮮選手団は今月25日に韓国に到着し、忠清北道鎮川選手村に入った。パク・チョルホ監督をはじめ、選手12名、サポートスタッフ2名の計15名。  25日の夜には、鎮川選手村チャンピオンハウスの大講堂で合同チームの選手団を対象にモーリー監督がオリエンテーションを行った。すでに北朝鮮選手らが選手村に入った時に、簡単な歓迎会を行ったのだが、ほとんどの選手が淡々とした表情で握手を交わしただけにすぎない。今回のオリエンテーションを通じて、お互いを知り、チームワークを向上させる狙いだ。  モーリー監督は、まず初めに選手たちに自分の名前と年齢、ポジションなどを紹介させた。選手たちはお互いの年齢を知ることで、上下関係を整理。しばらくすると、次第に「オンニ」(韓国語で「お姉さん」の意)の声も聞こえるようになった。
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合流当初のぎこちなさは消える
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