成田/ワルシャワ線が週5便に! LOTポーランド航空増便の裏側
LOTポーランド航空(以下LOT)が、現在週4便運行している成田/ワルシャワ線を’18年3月31日より、週5便にすると発表した。現在は日系企業の需要が増加しているとのことで、’16年に週3便でスタートした同路線が増便するに至った背景を探った。
在日ポーランド人の間では長年噂のあったLOTの就航。その交渉は20年以上に渡って行われてきたという。ポーランド政府観光局日本支局長のマリウシュ・ワタ氏は次のように語る。
「ポーランド側はずっと直行便で東京/ワルシャワ間を結びたかったのです。何度も成田に直行便を飛ばしたいと交渉したのですが、うまくいかなかった。というのも、‘94年にワレサ前大統領が日本を訪問したときに、航空に関する両国間の合意書ができたのですが、その内容がアンバランスだったのです。当時の合意書によれば、日本の航空会社が就航したければ、日本からヨーロッパの都市からワルシャワ着、またワルシャワ経由でヨーロッパの都市という条件であったのが、ポーランドの航空会社が飛べるのは大阪の関西国際空港だけだったのです」
ポーランド側としては、やはり首都と首都を結びたいという強い意志があったという。日本側としては、当時羽田空港は国内線のみの運行。成田空港も現在に比べ、滑走路やスロットの数が少なかった(第2滑走路は’02年より供用開始)。また、’94年に開港したばかりの関西国際空港を利用してほしいという思惑があったようだ。
その後、’90年代末から何度も交渉が行われたが、合意には至らず。ようやく進展があったのは’10年代に入ってからだった、
「LOTが新しい機材、ボーイング787を注文して、新しく世界市場に進出すると打ち出したのです。世界で最初に787を注文したのは全日空ですが、実はヨーロッパで初めて787を注文したのはLOTだったのです。LOTとしては新しい顔を持つ航空会社にしたいという考えで、それまでのヨーロッパ、北アメリカ、カナダだけでなく、アジアを中心に長距離路線を増やそうと。一方、日本側では羽田空港が国際線の運航を開始しました。成田空港も滑走路や空きスロットが増えたので、許可が下りたわけです。ちょうど両国のタイミング、状況の変化があって、ようやく直行便が誕生したわけです」(同)
現在は東京だけでなく、北京やソウルにも運行中のLOT。ワタ氏はビジネス面での利便性を考えても、東京/ワルシャワ線は週7便まで増えることが理想だと語る。ポーランドを訪れる日本人の数が増加していることからも、デイリー運行の実現はそう遠くなさそうだ。
20年越しで直行便が実現
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