高層ビルの窓拭き職人から資産1億円の専業トレーダーに――何が彼を変えたのか?

 30万円を入れては溶かしの繰り返しから、果たした億超えだった。d-sk氏のトレードは少し長め、10pips前後を狙っていくスキャルピングだ。 「エントリーは1分足ですが、もっと長い足、日足から見ていって『本日ロング』とその日の方針を決める。そうはいっても、今すぐ買うんやなくて、本日ロングをさらに分解して、どこが重要なサポートでレジスタンスなのか、ロングのゴールはどこなのか、積極的に買っていいのか、押し目できっちり買わなあかんのかと、その日の戦略を組み立てていきます」
【日足から「本日の方針」を決める】

【日足から「本日の方針」を決める】スキャルとはいえ日足や週足、月足もチェック。今日のトレード方針を決める。節目となる主要な高値・安値、買い手と売り手の攻防が決着した水準などをもとに「上がるならレジスタンスは」「売りが入りやすい節目は」と確認

 瞬間的な値動きに反応してクリックするのではなく、パズルを組み立てていくようなスキャルピングだ。 「初心者は動いてるチャートを見て判断する人が圧倒的に多い。人の目って動いてるものに目がいくから、しゃーないんですけど、動いてる部分にヒントはまるでない。動いていない左側にしかヒントはないんです。動いてない左側を分析して初めて、『次はこうなるんちゃうかな』っていう予想ができる。その予想がなければ動いてるチャートを見ても意味がない」  例えば、’17年11月初旬の米ドル/円。d-sk氏はどう分析したのか。 「日足を見ると108円台から上昇してきてロング目線。ただ上には明らかなレジスタンスになっている114円40-50銭ラインがあった。’17年に何度も高値になっていたラインです。ここをいつブレイクするんやろと。そのブレイクが確定したのが11月3日。米雇用統計の発表された日です」  雇用統計の結果は予想よりもやや悪い数字に。 「雇用統計でいったん下にふられるんですけど、すぐV字になって戻ってきた。雇用統計で売られたけど、それを覆すくらいの大きな買いが入ったということ。雇用統計が『ダマシ』となって、売り手が苦しい状況に追い込まれたんです
【「ダマシ」からの上昇は強い】

【「ダマシ」からの上昇は強い】「ここはチャンス!」と売ってきた後のほうが上昇しやすい。売り手の損切りを巻き込んでいくからだ。このチャートでは米雇用統計後に売られたもののV字を描いて上昇。売り手が超絶不利な状況になったため買い目線に

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値動きに応じてスキャル技を駆使する
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