中丸氏は、来年はさらにドル高・円安が進むため、アメリカ株に参入する好機は続くと見通す。
「イエレンFRB議長が打ち出した保有資産圧縮計画によれば、資産圧縮を始めた今年の10月から1年で3000億ドル、次の1年で6000億ドルと圧縮を推し進める方針です。長期的には、FRBの資産規模が2.75兆ドル前後まで縮小する可能性があります」
資産を圧縮し始めたアメリカに対し、いまだ円を刷り続ける日本。このままの状況が続けば
円安ドル高はさらに加速するという。
「2国間のマネタリーベースを比較して適正相場を算出したグラフであるソロスチャートは146円前後まで円安が加速する可能性があると指摘。しかしこれはあくまで理論上の話で、実際にはアジア通貨危機やチャイナショックといった危機的状況時の相場である、125円前後で調整が入る可能性が高いです」(同)
【中丸氏の’18年円/ドル為替予想】通貨供給量と為替相場には相関があるとして、2国間のマネタリーベースを基に作られたソロスチャート。現状の相場とほぼ一致し、今後は140円超の円安を目指すが、実際には125円前後で調整が入るとの予測。
では来年にかけて、どのようなアメリカ株を買うべきなのか。
「アメリカ株の強気相場はしばらく続くが、その間にも調整局面はある」と語るのは、人気アメリカ株ブロガーのバフェット太郎氏。
「今年、S&P500の時価総額は2兆8000億ドルも増加しましたが、その3分の1以上にあたる1兆ドルはアマゾン、アップル、アルファベット、マイクロソフト、フェイスブックのビッグ5によるものです。アメリカの投資家が注目している税制改革が決まり、税率の引き下げが決まれば含み益の乗っているビッグ5は真っ先に利確の対象になり、売り優勢の展開になると思われるので、他の配当利回りが優秀な株や成長が見込める株を狙っていくべきでしょう」
そんなバフェット太郎氏の投資法は、利回りの優秀な大型株に分散投資をし、定期的にリバランスと配当の再投資を行う長期投資がメイン。2017年の利回りは+28%という超高利回り。まさに勝ち馬に乗り切った形だろう。
「私の保有株の中でも特にオススメなのが、ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)。今年の株価は20%近い成長を見せたほか、決算成績も良好で、業績見通しの引き上げも発表されました。医薬品部門も今年初めにスイスの製薬会社アクテリオンを買収して得た『ステラーラ』などのブランドが利益に貢献しており、見通しは明るいです」(バフェット氏)