「双方向対話」をうまく使えばプレゼンで一層聞き手を惹きつけられる!

CG-BOX / PIXTA(ピクスタ)

20分に1度、双方向の対話で聞き手を引き付ける

 スクリーンを背にした正面を基本的な立ち位置にして、正面左右、会場左右、聞き手の中に入り込んで動きながらプレゼンをしていくことができるようになると、かなりの程度聞き手を引き付けることができるようになることは前回お話した。  さらに聞き手を引き付ける手法がある。それは、双方向での対話を組み込む方法である。一方的なプレゼンテーションによる伝達ではなく、話し手と聞き手の双方向で対話する時間を設けることだ。  聞き手から質問、意見、感想を言ってもらうことも、双方向の対話のひとつだ。どの程度の頻度で、双方向の対話を入れるかということも検討が必要だ。  聞き手の状況によるが、私は、例えば、1時間で、3つのトピックスについて、20分ずつプレゼンテーションする場合、20分の間に一度ずつ双方向の対話を入れるということを好んで実施する。集中力の低下を防ぐための、双方向の対話は、20分に一度ずつくらい入れることが賢明に思える。

2人一組、グループ、さまざまな意見交換方法を組み合わせる

 話し手と聞き手の双方向の対話の方法として、聞き手同士で意見交換し合う方法がある。大事なポイントは、聞き手同士で意見交換して、それで終わらせないということだ。聞き手同士で意見交換して終わらせてしまっては、話し手と聞き手の双方向の対話にならない。  聞き手同士で意見交換した場合でも、その後、話し手と聞き手の間で意見交換する。聞き手同士で意見交換した内容を何人かに共有していただき、話し手がコメントする。  聞き手同士で意見交換する方法には、2人1組で行う方法、4から5人のグループで行う方法、聞き手全体で行う方法がある。2人1組で行う方法は、隣同士や前後の人同士で意見交換する方法だ。グループで行う方法は、例えば3人で1テーブルに座っているのであれば、前後のテーブル同士で向かい合って意見交換する方法だ。  これらの方法は、同じ方法が続かないようにすることが、聞き手の集中力低下を防止するためには必要だ。2人1組で実施したら、次は全体で、全体で実施したら次はグループで実施するというように、目先を変えて異なる方法を組み合わせて意見交換する。とても単純なことだが、こうした工夫をして運営しているケースは実に少ない。
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聞き手が発言してこない! その時どうする?
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