立ち位置や動き方がダメなプレゼンは二流。聞き手を惹き付ける立ち位置とは?

kasto / PIXTA(ピクスタ)

 ターンの仕方でプレゼンの表現力が格段に高まることは前回説明した。では、プレゼン会場のどこに立って、プレゼンをしたら、聞き手を最も引き付けることができるだろうか。  実は、ターンの仕方を体得すると、自然と、会場の片隅の演台で直立不動で話したり、PCを凝視して話すことがなくなる。演台に立ち続けるな、会場を動き回れと解説するプレゼンテキストは多いが、そのように解説するだけで、会場を動き回れる人は少ない。  ターンという行動を体得すれば、自然と、演台から離れることができるのだ。ターンの動きにより、スクリーンを背にして、聞き手と向かい合って話すことがしやすくなる。自然と、スクリーンと、聞き手との間の正面に立ちやすくなるのだ。そうすることで、堂々とした印象を聞き手に与えることができる。

スクリーン正面が基本的立ち位置

 スクリーンと聞き手の間の正面に、聞き手に向かい合って立つことが基本的な立ち位置だ。これを基本に、聞き手からみて、正面の右側、正面の左側に立つ動作を身に付けるとなおよい。  聞き手から見て、スクリーンの左側の内容を示したい時には左側に立つ、スクリーンの右側の内容を示したい時には右側に立つということを、次に試してみるとよい。  次に試してほしいことは、聞き手から見てスクリーンの左側の内容を示したい時に、聞き手から見てスクリーンの右側に立つ、スクリーンの右側の内容を示したい時に左側に立つ方法だ。こちらの方が、大きい動きになる。いずれにしてもレーザーポインタが不可欠だ。

正面左と正面右に移動する

 ここまで出来るようになったら、会場を歩き回ろう。お薦めは、左右両サイドに動く方法だ。これには2種類の方法がある。一つ目の方法は、前記の聞き手から見て正面の左右に立つ方法の延長線上で、両サイドまで移動して、スクリーンをレーザーポインタで示す方法だ。  この方法は、聞き手の視線を横から正面に動かしたい時に使う方法だ。聞き手の集中力が途切れてきた時のカンフル剤として、聞き手の体を動かしてしまう方法だ。もし、聞き手の動きが鈍ければ、話し手が会場の左右から正面へ移動してしまえばよい。  もうひとつの方法は、会場の正面左右ではなく、あえて両サイドに、ホワイトボードを一台ずつ置く方法だ。こうすれば、話し手は、スクリーンを背にして正面から聞き手に向かい合うこともできれば、両サイドに移動した場合はホワイトボードを背にして聞き手に向かい合うことができる。  話し手がスクリーンを用いて話している時は、聞き手は正面を向き、話し手がホワイトボードを用いて話している時は、聞き手は左右のいずれかを向くということになる。このように聞き手に動いていただきながら、聞き手の集中力の低下を防ぐ方法だ。  そもそもスクリーンやホワイトボードは、話し手の訴求力を高めるツールだ。その効果を享受するためには、スクリーンやホワイトボードを背にするということが基本なのだ。
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基本的立ち位置こそが起点
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