知事が自由に決めた給与額のどこが「個人情報」なのか。納得できない記者は、野田・宮地秘書の給与・手当額を明らかにさせるべく8月下旬に裁判を起こしたところ、マスコミで大きく報道された。すると都の態度が一変し、給料情報を公開したのである。その後裁判は取り下げた。 　その1か月後の9月下旬、舛添知事時代の特別秘書の給与情報公開を求めて裁判を起こしたところ、今度はニュースにならなかった。すると都は、自主的に公開するどころか裁判で徹底的に争うという選択をしたのだ。 　マスコミが騒いだときだけは公開するが、マスコミが静かなら徹底して「墨塗り」を貫く。この特別秘書給与の件だけでなく、築地市場移転問題や受動喫煙条例でも「密室で決められた」との批判が高まっている。小池都知事の「情報公開」は空虚なショーのようだ。 　東京都知事特別秘書の給料・手当額の公開を求める裁判の次回口頭弁論は、来年1月18日午前10時45分、東京地裁703号法廷で開かれる。 ＜取材・文・撮影／三宅勝久（ジャーナリスト）＞