年収1400万円以上で運転手つき、働かなくても支払われる超好待遇
定例記者会見に臨む小池知事。お気に入りの記者の質問ばかりに答えていると批判されている
東京都の知事特別秘書給与額を非開示とした処分の撤回を求め、記者が原告となって起こした行政裁判の第1回口頭弁論が11月21日に東京地裁で開かれ、都側は全面的に争う姿勢を明らかにした。
――と書くと、「都知事特別秘書の給与額・手当額はすでに公開済みなのでは?」といぶかしむ向きもあるだろう。
確かに都は8月23日、現在の知事特別秘書である野田数氏(都民ファーストの会代表)と宮地(尾崎)美陽子氏の給与額と手当額を公表した。それぞれ月額70万6000円、期末手当を含めると年間1400万円以上。加えて、運転手つきの専用の公用車がついた上に勤怠管理なし。
つまり、副業しようがサボっていようが誰がチェックするわけでもなく、働かなくても給料は支払われる。「税金泥棒」と言いたくなるような超好待遇であることが判明したのだ。
「舛添知事時代の特別秘書給与は公開できない」と小池知事
ところが、舛添要一前知事時代の特別秘書2人(福嶋輝彦、横田賢一両氏)の給与・手当額については、小池都知事はいまもなお「公開しない」との態度をかたくなにとっている。
「舛添知事時代の特別秘書の給与はいくらですか? 比較するために知りたい」
野田秘書らの給与情報が公開された8月23日、記者は人事課や秘書課にそう尋ねた。当然具体的な回答があるだろうと期待していると、返ってきたのは意外にも「個人情報だから教えられない」という言葉だった。仕方がないので、記者はその日のうちに都知事に宛てて情報公開請求をした。しばらくして出た結果は「非開示」。
やむなく今年9月22日、東京地裁に非開示処分撤回を求めて提訴した。冒頭で触れたのはこの裁判のことだ。
野田秘書らの給与情報を公開する一方で、前知事時代の秘書給与は出さない。この矛盾について都は答弁書でこう述べている。
「(野田秘書らの給料情報は)本人の意思に基づき公表したものであって、・・・(中略)・・・(福嶋秘書らの給料情報は、公にされることが)予定されている情報に該当するものではな(い)」
野田・宮地両特別秘書の給与・手当額を公表したのは、あくまで本人の意思によるものであって、舛添知事時代の特別秘書給与を公開する義務はないと言うのだ。ならばこちらも「本人」に聞けば済むように思うのだが、問い合わせをした形跡は一切ない。「尋ねるつもりもない」と人事課職員は記者に断言した。