「中東で最も有名な日本人」、産油国社会に存在するヒエラルキーを語る

靴を作るパキスタン人の職人

UAEの街角で靴を作るパキスタン人の職人

産油国は階層区分がくっきりしている

 最後に、非アラブ系外国人などの経済移民です。こちらはアラビア語が話せず、英語のみを使う人材がほとんどです。インド人、パキスタン人、ネパール人、フィリピン人が多い層です。こちらは一部ホワイトカラーの仕事とブルーカラーの仕事、ウェイターやウェイトレス、工場労働者や清掃員などで見られる層であります。  たまに何か勘違いして、こういう区分の分け方は差別を助長するという方々がいますが、産油国は各々が経済領域や職分を弁えることで、合理的に進んでいる社会と言えます。  石油の莫大な収入を支えに国家を維持していることが、健康的なのかそうでないかの議論はさておき、産油国にはそのような社会構造を理解した上で、世界から労働者が集まっています。  実際、非アラブ系外国人労働者からはフィリピン人が減ってきており、それには近年のフィリピンの経済発展が関係していると見られます。  代わりに、その仕事をアフリカからの移民が埋めている現象が少し見えます。これは、無理をして遠くへ出稼ぎに出ず自国で働いた方が良い、という経済状況になったためであります。  かつて日本人もブラジルなどに出稼ぎに行った時代があるのですから、ドバイのこのような社会構造に対して、どうか目くじらを立てぬよう……。 【鷹鳥屋明】 たかとりや・あきら。大分県出身。大学で歴史学を学んだ後、重電メーカー、商社などを経て、日本と中東の合弁ベンチャー企業に勤務。個人的な活動として日本と中東各国で、アラブ民族衣装服を完璧に着て日々の仕事を行っていることから多くのメディアに取り上げられInstagramのフォロワーが約7万人、ツイッターのフォロワー3万人突破。中東と世界に日本文化、技術、文化を伝える語り手となるべく奮闘中。アラブ情勢について日本のテレビ番組でコメンテーターを務めることも。 ツイッター @Takatoriya インスタグラム @shams_qamar_jp
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