超個性的なスタイルで注目を浴びた「M Z-01K」
NTTドコモは2017-2018年冬春商戦向け新商品を発表したが、新商品のラインナップで中興通訊製のスマートフォン(スマホ)「M Z-01K」がひときわ目を引いた。折り畳み式で2画面を搭載し、2018年1月以降に発売する。この超個性的なスタイルは注目に値するが、誕生の経緯も注目したい。
「M Z-01K」は一般的なスマホとは異なり、折り畳み式で2枚の約5.2インチ液晶を搭載した超個性的なスタイルを採用した。これにより、「通常モード」、「大画面モード」、「2画面モード」、「ミラーモード」の4種類の表示モードで使える。
「通常モード」は片方の画面のみ表示し、本体を折り畳むと厚みは感じるが、一般的なスマホと同じように使える。「大画面モード」は本体を開いて2画面に1コンテンツを表示し、2画面を約6.8インチ相当の1枚の大画面のように使える。「2画面モード」はそれぞれの画面に異なるコンテンツを表示し、2コンテンツを同時に広々と使える。「ミラーモード」は2枚の画面にそれぞれ同じコンテンツを表示し、本体をL字型に開いて対面する相手と同じコンテンツを見るような使い方が想定される。
利用シーンに応じてほかのスマホとは異なる使い方ができる。
NTTドコモの発表に先立ち、中興通訊は米国でグローバル向けに「Axon M」を発表した。「Axon M」はグローバルで販売するスマホであり、それを日本では「M Z-01K」として展開する。中興通信が先行して公開し、グローバル展開するスマホとなるが、実はNTTドコモが企画立案した。NTTドコモは「ドコモ発のグローバルモデル」と称する。
日本とグローバルでは製品名が異なるが、販売元の方針に合わせてネーミングをローカライズしたという。「M」の部分は共通するが、これは開発コンセプトが反映された。「マルチメディアをマルチタスクでマルチスタイル(4種類の表示モード)で使ってほしい」との願いが込められた。なお、コードネームは「Multy」であり、そこからも開発コンセプトが見て取れる。
NTTドコモが企画立案したが、開発や製造のパートナには日本メーカーではなく中国に本社を置く中興通訊を選択した。一体、なぜNTTドコモは中国メーカーと組んだのか。
NTTドコモによると理由は大きく分けて3点あるという。まず、1点目はNTTドコモが提案したコンセプトやチャレンジに共感したメーカーが中興通訊だったこと。2点目は中興通訊がグローバルで販売チャネルを有するという点だ。グローバル展開を前提としたため、グローバルで販売チャネルを有するメーカーが適していた。3点目はオリジナルブランドのスマホを通じて開発や品質で実績があるためという。
中興通訊が製造した「MONO MO-01K」
NTTドコモは2016年12月にオリジナルブランドのスマホとして「MONO MO-01J」を発売した。2017年12月には「MONO MO-01K」を発売する予定だ。MONOはNTTドコモの商標で、オリジナルブランドとして展開するが、いずれも中興通訊が製造を担当した。中興通訊はMONO MO-01JやMONO MO-01Kを通じてNTTドコモから信頼を得ていたのだ。