Googleが出資する月探査レース「GLXP」が佳境に! 日本も参戦、勝つのはどこだ?
GLXPに見切りをつけたアストロボティック
“月開発会社”をすでに生み出したGLXPと、月開発の未来
もっとも実のところ、まだGLXPに挑戦し続けている5チームも、GLXPはゴールではなく、将来の月の開拓に向けた通過点、あるいは一里塚だとみなしている。つまり目的はアストロボティックもGLXPに参戦する5チームも同じで、そのやり方や考え方が少し異なり、GLXPを寄り道と捉えているか、階段のひとつの段と捉えているか、という違いがあるだけにすぎない。
来年3月に、GLXPがどういう結果に終わるにせよ、それぞれのチームの手元には技術と人材が残る。もちろんすべてのチームが、今後も月の開拓という目標に挑戦し続けることができるかはわからないが、少なくともその可能性をもつ企業や団体が世界中でいくつも生まれ、民間による月開発の火付け役になったという意味では、GLXPには大きな意義があったといえるかもしれない。
アポロ11で月に降り立ったニール・アームストロング宇宙飛行士は、月に第一歩を記した際、「私の一歩は小さな一歩だが、人類にとっては大きな一歩である」という言葉を残した。
そして今、人類にとって新たな一歩が、民間の力によって記されようとしている。
<文/鳥嶋真也>
とりしま・しんや●宇宙開発評論家。宇宙作家クラブ会員。国内外の宇宙開発に関するニュースや論考などを書いている。近著に『イーロン・マスク』(共著、洋泉社)。
Webサイト: http://kosmograd.info/
Twitter: @Kosmograd_Info(https://twitter.com/Kosmograd_Info)
【参考】
・Why the Moon | Google Lunar XPRIZE(https://lunar.xprize.org/about/why-the-moon)
・Google Lunar XPRIZE Offers $4.75 Million to Teams Who Complete In-Space Milestones on Way to the Moon | Google Lunar XPRIZE(https://lunar.xprize.org/press-release/google-lunar-xprize-offers-475-million-teams-who-complete-space-milestones-way)
・The Mission | SpaceIL(http://www.spaceil.com/mission/)
・Expanding Earth’s Economic Social Sphere | About Us | Moon Express(http://www.moonexpress.com/about-us/)
・Mission To The Moon – TeamIndus(http://www.teamindus.in/mission/)
宇宙開発評論家。宇宙作家クラブ会員。国内外の宇宙開発に関する取材、ニュース記事や論考の執筆などを行っている。新聞やテレビ、ラジオでの解説も多数。
著書に『イーロン・マスク』(共著、洋泉社)があるほか、月刊『軍事研究』誌などでも記事を執筆。
Webサイト: КОСМОГРАД
Twitter: @Kosmograd_Info
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