企業や団体での私の演習経験やコンサルティング・サポート経験をふまえると、どうやらこのケースでは、タイムマネジメントのスキルの使い方を覚えると、各段に、気持ちが楽になるようだ。
このように申し上げると、「タイムマネジメント研修は受けた」。「タイムマネジメントに基づいてスケジュールやTo Do管理はしている」…にもかかわらず、ストレスを感じるという声が聞こえてくる。それは、分解スキルを見極めていないからだ。
例えば、今日一日のタイムマネジメントをする事例で、分解スキルを見極めいこう。まずは、処理すべき業務次の3つの切り口で分解する。
既存予定、未処理予定、追加予定だ。
既に認識しスケジューリング(予定)している
既存予定。
認識しているが予定していない
未処理予定。
これから指示されたり思いついたりして発生するかもしれない
追加予定だ。
このように分解してみると、具体的なストレスの種が見えやすくなってくる。とにかくやることが山積していて息苦しい状況から、正体をつかむことのできない恐ろしいプレッシャーの種を分解するのだ。ここまでで、漠然としたプレッシャーの恐れや、これから降ってくるかもしれないとてつもない仕事に、先回りしてストレスを感じてしまっていた演習参加者が必ず出てくる。少なくとも、既存予定と未処理予定をタイムマネジメントすれば、ストレスは飛躍的に軽減する。
実際に演習する際には、実施しなければならないと思っている業務を、5分くらいで付箋に書き出す。書き出した業務を、1分くらいで既存予定と未処理予定に分解する。
次に行うことが、私の用語で言う「オン・サ・テーブル」と「アンダー・ザ・テーブル」に分解することだ。本日処理する必要があると思う業務は机の上に置いたままにする。少なくとも本日はしなくてよいと思われる業務は机の下に落として、区分するのだ。不思議なもので、本日実施しない業務を机の下に一斉に払い落とす気持ちで区分すると、ストレス解消度合いが高まるものだ。演習では、本日実施しないと思われる業務内容を記入した付箋を、実際に、机の下に落としていただく。
要は、本日という期限で区切ること、本日実施する業務という区分で切り分けるのだ。言い換えれば、明日のことで思い悩むなかれ、明日やらなければならない仕事のことで、今日はストレスを感じるなという意識を持つのだ。そのような意識を持てと言って、そういう意識になれる人は多くないので、実際に業務内容を記入した付箋を使って区分するのだ。