年内の新党結成に向けての動きを加速させている若狭勝氏
さらに「『北朝鮮情勢緊迫化の中で原発テロ対策が不十分』と言っていたが、(原発推進の)安倍政権と対峙する立場なのか」と確認すると、「個人的意見」と断りながらも次のように明言した。
「原発テロがかねてから想定されているわけですけれども、その原発テロの対策としては弱いと思っています」(若狭氏)
こう明言した若狭氏に対して、同じ問題意識(原発テロ対策が不十分)を共有して福島原発視察をしたはずが、明言を避けた小池知事。明らかに大きな違い(温度差)がある。しかし小池知事は“若狭新党”の党勢拡大に欠かせない、“陰の党代表”のような存在。新党の役職に何も就かなくても、党代表と同等以上の政策決定権を有すると考えられる。
小池知事の“恩師”小泉純一郎元首相は「原発テロ対策の甘さ」を各地で警告
小池知事は今後、原発再稼働反対を掲げる「安倍政権対峙路線」を選ぶのか、それとも政権補完勢力となるのかが注目される。
小池氏を環境大臣に抜擢した“政治的恩師”の小泉純一郎元首相は、今でも原発ゼロ社会実現を目指して全国講演行脚中だ。「日本の原発テロ対策は甘い」という警告も各地で発している(小泉純一郎『黙って寝てはいられない』より)。
9月8日には福井県小浜市で講演し、北朝鮮によるミサイル発射が相次ぐ情勢について「原発が標的になり得る」とも指摘した。この小泉元首相の訴えを、小池知事はどう受け止めるのだろうか。
<取材・文・撮影/横田一>
よこたはじめ●ジャーナリスト。著書に『
新潟県知事選では、どうして大逆転がおこったのか』(七つ森書館)『
検証・小池都政』(緑風出版)など