バンコクで日本人に大人気の焼き鳥店は、なぜタイ人向けの居酒屋でも成功したか?

佐助

居酒屋佐助と、メニュー考案や調理を担当する河上海氏

 タイの首都バンコクにある日本料理店で、ヤキトリというジャンルにおいては断トツで在住日本人から支持される「鳥波多゛(とりはだ)」。タイの畜産と養鶏を中心にしたアグリビジネス大手のベタグロ・グループに粘り強く交渉し、専用レーンを作らせ、職人が鶏をさばいたその場で真空パックするという独自の手法を確立し、鮮度において他店を大きく凌駕するが、この鳥波多゛・タイの運営会社が2017年6月、日本のグループ店とは関係なくネクストブランド「居酒屋 佐助」を立ち上げた。  このネクストブランド「居酒屋 佐助」、鳥波多゛にはない魚介料理も用意するなど、焼き鳥も扱うが各種メニューを取り揃えた居酒屋形態の店となる。そしてさらに言えば、バンコクに2店舗ある鳥波多゛とは異なり、中心顧客層をタイ人と想定しているのが特長だ。 ⇒【写真】はコチラ https://hbol.jp/?attachment_id=150322
一升瓶

店の入り口に並べられた一升瓶。タイ人も一升瓶というアイコンから日本酒を思い浮かべるので、日本料理店としてわかりやすい

 タイで商売をする中で日本人だけをターゲットにすることも今は不可能ではない中、すでに多くの日本人の支持を得ている鳥波多゛・タイだが、敢えてタイ人向けに絞った店として出店した「佐助」。そして、同店は開店からおよそ3か月が経過した今、主に30代を中心にしたタイ人中流層が顧客として定着しつつあるという。なぜ見事にタイ人の顧客層を捉えたのか?

現地ビルオーナーの誘いで開店

 佐助があるウドムスックという通りはバンコク中心地から南東の方向に向かったエリアで、場所柄、観光の日本人が訪れることはまずない。また、バンコク在住者でさえ、かつてはウドムスックという通りがあることを知らない人もいたほどの場所だ。しかし、数年前に高架電車スカイトレインの延伸部分が開通し、ウドムスックにも駅ができたことでその状況も変わりつつある。そうなると、駅前にある佐助へのアクセスは決して悪くはないということになった。
佐助のタイ語メニュー

タイ人にもわかりやすいように張り紙もタイ語を多用している

 元々ここに店を構えることに決めたのは、鳥波多゛バンコクの2店舗目のビルオーナーが佐助が入居する商業施設も保有していたからだった。このオーナーもまた鳥波多゛の味に惚れ込み、直々にウドムスックへの誘いがあったのだ。ただ、ここはバンコクの下町で、必然的にタイ人を対象とすることになる。そのため、これまでと同じ形態ではなく、ネクストブランドという形になったのだ。
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しっかりした内装の割に低価格で心を掴む
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