LCCより安いフラッグキャリアに乗ってみたらこうなった

LCCより安かったベトナム航空だったが……

⇒【写真】はコチラ https://hbol.jp/?attachment_id=149969
他便に振り分け

こっそりとビジネスクラスの乗客が集められ、他便に振り分けられている。筆者はなにか怪しいと思いカメラに収めておいた

 まず、折り返しとなる飛行機がベトナムから着いたものの、予定時間になっても係員が動き出さない。それどころか、順番に日本人や外国人のビジネスマンらしき人たちが呼び出され、どこかに連れ出されていった。あとでわかったのは、彼らはビジネスクラスの客だった。  そして、出発時間から1時間が経過してやっとエコノミークラスの客が集められ、搭乗口の変更を告げられた。この時点で昼の12時である。
移動されるベトナム航空機

飛んでから故障と言われるよりマシだが、出発間際にどこかへ運ばれていくベトナム航空機

「機材(飛行機)の故障で遅れています。クーポン券を渡しますので、レストランで食事していただいて、その後13時までに変更されたゲートにお集まりください」  渡されたクーポン券を見ると300バーツ(約900円)とあった。レストラン街が免税店付近にあるので、戻って数軒を覗いたが300バーツで食べられるものはあっても飲みものは買えない。ファストフードでさえハンバーガーがひとつ買えるくらいだった。タイの空港飲食店は市価よりもずっと高いので、クーポンをもらったときはそれなりの対応だとは思ったがそんなことはなかった……。  そうして時間になって、乗客たちが指定された新ゲートに集まり始める。ところが待てど暮らせど係員が誰も来ず、14時ごろになってやっと現れる。そこでやっと、早くて17時のフライトだと言われ、すぐさま19時と翻される。よくよく聞けば、説明しているのは下っ端の女性社員で、責任者クラスは会議で来られないのだと言った。
未定になったスケジュール表

昼食のクーポンを渡されたとき、すでにスケジュール表には時間も搭乗口も書かれていなかった

なんの説明もなく4時間経過……

 15時過ぎになり、やっと責任者クラスが現れた。この時点ですでに当初の出発予定から4時間が過ぎている。英語が流暢な韓国人女性が責任者に言った。 「なにより頭にきているのは、なんの説明も対策もされていないことなんですよ」  正論である。これに対してその女性責任者は「そうですよね!」と笑顔を見せた。鉄の心をお持ちのようだが、これが火に油を注ぐ結果となり、怒鳴る人まで現れた。この責任者も女性社員もタイ・オフィスの人なので、タイ人である。  16時になってようやく案が提示された。なぜかまた責任者は消え、部下の女性社員が対応する。 「オプションは2つです。19時発21時着のホーチミン行きか、17時フライトでハノイに行き、ハノイから国内線でホーチミン23時着です」  筆者の場合、乗り継ぎ便が翌朝だったので焦りもなかったが、他国への便に乗り継ぎができなくなった人もおり、その保証が提示されず、さらに怒号が飛び交う。白人の何人かはこんなところにはいたくないとハノイ経由を申し込んでいた。
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確定と言われて10分後にまた変更
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