世界第三位の観光地、バルセロナで「観光者排斥」運動が起きている

 最近、彼らの存在がよりクローズアップされるようになったのは7月30日に覆面をした4人がバルセロナ市内で外人を対象にした市内観光バスを止めて、タイヤを刃物で刺してパンクさせ、バスのフロントガラスにグラフィティのごとくスプレーを使ってカタラン語で「観光は地区をダメにする」と書いた事件がきっかけだった。事件はそれ以上の進展はなかった。しかし、この出来事を、特に英国の主要紙「The Guardian」「Daily Mirror」「The Times」や、その他の報道メディアが取り上げたのである。<参照:「Guardian」>  主要紙はどれも、重大なヴァンダリズムだとし、一部乗客の中にはテロ攻撃に直面したと感じて、車内にナイフかピストルを持って入って来るのではないかと恐れを感じた者もいたと言ったことを伝えた。<参照:「La Vanguardia」>  さらに、アランは、市内で観光者相手に駐輪しているレンタル自転車のタイヤを片っ端からパンクさせるなんてこともしている。理由は、レンタル自転車をビジネスにしている企業が公共の場を占有して駐輪しているからだと主張しているそうだ。しかし、企業は公共の場を利用しているということで、その為の場所代を市役所に払っている。アランはそのようなことは無視して、パンクさせたことをツイッターにて伝え、ネット上でそのパンクさせている映像場面を載せて、それに参加するように煽っているのである。  また、新しくホテルが建設されているポブレ・ナウ地区で観光者がホテルから出て来たところで彼らを罵ったり、市内でキーポイントになっている場所で目立つ壁をつくり、そこにグラフィティーで「Tourist go home」と落書きをするなどしている。問題はそれが一度だけの出来事では終わっていないということである。<参照:「Libertad digital」>
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「観光地化の是非」を巡り割れる地元世論
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