楽しく熱く(そして冷たい)場外
闘いの場はリングへ戻る。相手セコンドの介入で、雫が孤立し攻め込まれる。しかし、スキを突いて同士討ちを誘い、阿部の助けを借りて雫が必殺技「デスバレーボム」で勝利した。仏僧、もとい物騒な名の技を使うのが面白いところだ。
強烈な必殺技、デスバレーボム
さらにオマケで全選手参加バトルロイヤルがおこなわれた。寺でのプロレスらしく、優勝者には「戒名無料進呈」と、生きている間はあまり使いどころがない賞品が贈呈される。
リング上のあいさつで、雫は乳児院について語り、感謝の言葉、そしてこれからも活動を続けていと述べた。
興行終了後、雫に話を聞いたところ、チャリティではあるが強く押し出しすぎず、乳児院の存在と活動を知ってもらうことが大事で、プロレスの活動を通じて広めていきたいと語ってくれた。
きらきら太陽プロジェクトは、単に金銭的な支援を募るだけではない。実際に乳児院を訪問し、試合もおこなっている。闘い終えた後、レスラーたちは子どもたちだけでなく、職員・支援者たちとも交流する。周りの大人たちが元気でなければ、子どもを笑顔にすることは難しいからだ。
その点、プロレスは元気や勇気を届けるにはもってこいだ。
過去の記事でも述べたが、プロレスは何度やられても立ち上がる姿を見せることで、あきらめない心を伝えるスポーツエンターテインメントだからだ。
筆者は公立小中学校に勤務していた際、福祉施設に訪問し職員や子どもたちから話を聞いたことがある。児童福祉施設と聞くと、虐待や育児放棄などで、子ども”だけ”が苦しんでいると見られがちだが、けっしてそれだけではない。
もちろん虐待は許しがたい犯罪だが、そのような状況に追い込まれてしまった親たちもまた苦しんでいる。やむを得ない事情で、子どもと離れて生活しなければならない親も少なくないことを知っておいてほしい。
もしこの記事を読み、乳児院や児童養護施設について興味をもったなら、少しでも構わないので協力してほしい。金銭的支援ではなくとも、ちょっとした雑談のネタにしてもらうだけでもいい。
最後にマザー・テレサの言葉で締めくくろう。
「私たちのすることは、大海のひとしずくにすぎません。でもそれがなければ、大海はひとしずくぶん減ってしまうのです」
・きらきら太陽プロジェクト 次回大会
日時:2017年10月15日(日)12時30分開場 13時00分開始予定
会場:PURE-J道場 亀アリーナ JR常磐線 亀有 北口より徒歩13分
観戦料:全席自由席 4000円/学生割引・障がい者割引 1500円/中学生以下無料
<文・たこやきマシン>
【たこ焼きマシン】
名古屋在住のローカルプロレス探求家。ローカルプロレスファンサイト
たこ焼きマシン.com、
スーパーたこ焼きマシン.comを運営。北海道から沖縄、台湾まで未知のプロレスを求め観戦に遠征する。ご当地プロレスラーガイドブック『ローカルプロレスラー図鑑』をクラウドファンディングで発行。
オンラインストア。元・小中学校教員、障害者職業能力開発校講師。夢は世界中すべてのご当地プロレスを観戦しての『ワールドローカルプロレスラー図鑑』制作。