めんそーれ!インターナショナルなローカルプロレス団体「琉球ドラゴンプロレスリング」

ローカルなのにインターナショナル

 ローカル団体でありながら国際色が豊かなのも特徴のひとつだ。

日本最南端のリング常設会場、カデナアリーナ

 琉球ドラゴンのリング常設会場「カデナアリーナ」はアメリカ空軍嘉手納基地(嘉手納飛行場)のすぐそばの商業施設ネーブルカデナ内にある。  興行の告知ポスターは日本語と英語の二言語で書かれ、アメリカドルでチケット代を支払うことも可能だ。

US$ OK!の文字が

 また沖縄からわずか1時間半ほどで行ける、台湾のプロレス団体・「新台湾プロレス」(NTW)との交流も盛んで、日台の選手でタイトルマッチが行われるほどだ。  新台湾プロレス所属選手のひとり、レッカ(烈火)は沖縄に住んで経験を積み、東京の団体・DDTプロレスリングの若手ブランド「DNA」に新台湾との2団体所属の形で入団した。  日本語が堪能なこともあり、日台のプロレス文化交流の担い手として期待されている。

王者キャプテン・イーグル(写真左、琉球ドラゴン)に挑むレッカ(写真右、新台湾)

洋上、洞窟、養護施設。どこでも出張。

 琉球ドラゴンはフットワークが軽い。常設会場のみでなく、沖縄の各地でも大会を開催している。  海上にリングを浮かべビーチから観戦する「洋上プロレス」、鍾乳洞・ガンガラーの谷での「洞窟プロレス」、牛と牛が闘う伝統娯楽が見られる円形競技場での「闘牛場プロレス」といった観光名所プロレスが代表例だ。  また、チャリティにも積極的だ。障害者就労支援事業所が制作した選手グッズを販売したり、児童養護施設で大会を開催したりもしている。  観光名所にとってはプロレスとのコラボで知名度が上がり、各施設は事業に必要な収入を得ることができる。関わる者すべてが何らかの形で幸せになる、ローカルプロレス団体のひとつの理想形だろう。  沖縄は遠いように見えて、実は近い。東京から3時間弱、大阪からなら2時間ほどのフライトで行くことができる。LCC(格安航空会社)やツアー会社のセールを狙えば、本土内の旅行より安くなることも少なくない。  カデナアリーナは那覇からクルマで約1時間の距離、先に述べたようなイベントプロレスもある。機会があればぜひ足を運び、地元のファンといっしょに楽しんでほしい。  どこの沖縄フェアや物産展でも味わえない「島んちゅぬプロレス」がそこにある。 <文・たこ焼きマシン> 【たこ焼きマシン】 名古屋在住のローカルプロレス探求家。ローカルプロレスファンサイトたこ焼きマシン.comスーパーたこ焼きマシン.comを運営。北海道から沖縄、台湾まで未知のプロレスを求め観戦に遠征する。ご当地プロレスラーガイドブック『ローカルプロレスラー図鑑』をクラウドファンディングで発行。オンラインストア。元・小中学校教員、障害者職業能力開発校講師。夢は世界中すべてのご当地プロレスを観戦しての『ワールドローカルプロレスラー図鑑』制作。
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