沖縄のプロレスの守り手グルクンマスク。拙著『ローカルプロレスラー図鑑+2016』より
今回は過去の連載でふれたこともある、日本最南端のローカルプロレス団体「琉球ドラゴンプロレスリング」(以下、琉球ドラゴン)について紹介しよう。
団体の主宰者はグルクンマスク。地元の大阪・枚方(ひらかた)市でプロレス活動と格闘技講座を行っていた。のちに大阪プロレスの創設者スペル・デルフィン(現:大阪府和泉市議会議員)が旗揚げした沖縄プロレスに入団。沖縄へ移住し、覆面レスラー「グルクンダイバー」となった。
沖縄プロレスは那覇・国際通り内の常設会場で週6日の興行を開催していたが、2012年に団体としての活動を終了し、会場も閉鎖された。
多くの選手が活動の場を求め本土へ戻る中、グルクンダイバーは「グルクンマスク」と名を改め、翌2013年自身の団体・琉球ドラゴンを立ち上げた。沖縄でプロレスを続けること、また沖縄のプロレス文化を絶やさぬため、そして何よりファンのための決断だ。
ボクシングで国体出場経験を持つ、首里ジョー
琉球ドラゴンの選手はみな沖縄にちなんだリングネームとキャラクターだ。2,000円紙幣の絵柄で知られる守礼門をモチーフとした「首里ジョー」、沖縄ソバの具に使われる豚アバラ肉からとった「ウルトラソーキ」などだ。
素顔の女子選手でも、花からとった「ハイビスカスみぃ」、ソウルフードに由来する「ポークたま子」と徹底ぶりだ。
男性レスラーとも渡り合う、ハイビスカスみぃ
生え抜き選手がおよそ半数を占め、沖縄出身の「うちなんちゅ」レスラーが多いのも特徴だ。