中国で広がる南北格差。同じ中国でも地域によって日本人の生活環境に大きな差が

 このことは前出の在留邦人統計にも現れている。大連は5年連続減少が続くが、深センを含む広東省は、5年前と比べ増えているのだ。中国全体における数が5年連続減少していることを考えると深センは相対的に日本人が増えていること分かる(深セン市単独の統計はなく広州市を含む在広州日本総領事館の在留邦人数より)。

日本時代の建物も多く現役で活躍している大連

 外国人の滞在に対する厳しさは、東北地方が、北朝鮮に近いことも要因しているかもしれない。昨今の北朝鮮情勢の影響で、国境警備の強化、公安の取り締まりも活溌になっていて中国東北3省で拘束される日本人が目立つようになっているのだ。  大連を含む遼寧省は全省唯一のマイナス成長を記録するなど不景気にあえいでおり、吉林省、黒竜江省も元気がない。果たして、取り締まりの強化で外国人が南に移動したことが要因なのか、それとも不景気ゆえに稼げない東北から外国人が逃げ出したのかは定かではないが、「北厳南寛」は経済の南北格差にも繋がっていくのかもしれない。 <取材・文/我妻伊都(Twitter ID:@ito_wagatsuma
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