インドも宇宙大国へ!新型の大型ロケットの打ち上げに成功

GSLV Mk-IIIがもつ大きな可能性

GSLV Mk-IIIの第3段エンジン「CE-20」。インドが10年以上の歳月をかけ、苦心して開発した高性能エンジンである Image Credit: ISRO

 GSLV Mk-IIIはまだ試験打ち上げの段階だが、今後本格的に運用が始まれば、インドの宇宙開発はさらなる進化をとげることになろう。さらに第2段エンジンを改良する計画もあり、それが実現すれば打ち上げ能力はさらに向上し、大型の静止衛星の打ち上げも可能になる。  すでにインドは、小型から中型まで、地球観測から測位、通信や放送まで、多種多様な人工衛星を開発する能力があり、月や火星探査機を開発する能力ももつ。ここにGSLV Mk-IIIが加われば、そのすべてをインドの地から、インドの力だけで打ち上げることができるようになり、宇宙開発において他国を頼る必要がなくなり、ほぼ完全な自立を果たすことになる。  また、GSLV Mk-IIIは他国の同性能のロケットと比べて安価であるといわれており、インド国内の報道では6000万米ドルほどとされる。これは他国の同性能のロケットより数割安価で、低価格さを売りとするイーロン・マスク氏率いるスペースXのロケットとほぼ同じくらいである。  この安さにより、自国の打ち上げのみならず、他国の企業などから衛星の打ち上げを受注する「商業打ち上げ」でも活躍することになるかもしれない。すでにインドは、小型衛星の商業打ち上げでは大きな存在感を発揮しており、実績も多い。その波が中型衛星まで広がることは難しくないだろう。  もっとも、インドのロケットが安価なのは、そもそもインドの物価が安いことが最も大きいため、今後の経済成長などを考えると、ずっと安価であり続けるというわけではない。それでも、欧州や日本など、すでに商業打ち上げに参入している国や企業にとっては、決して小さくない脅威になろう。
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インドも宇宙大国へ
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