4000億円減損で膿を出し買収リークを仕掛けた日本郵政
2017.06.29
NY株の好調に対して、上値の重たい展開が続く東京市場。一体いつになったら明るい兆しは見えてくるのか?日本郵政の巨額損失から闇株新聞氏が’17年後半戦を占った
日本郵政がきな臭い動きをしています。’15年に買収したオーストラリアの物流会社トール・ホールディングスののれん代(’16年12月末時点で3860億円)を一括償却して、’17年3月期の純損益は当初予想の3200億円の黒字から一気に289億円の赤字へと転落しました。’07年の郵政民営化以来、初めての赤字です。しかし、その巨額減損発表直後に野村不動産を買収予定という報道が流れ、日本郵政株は一時的に急反発しました。その日、「本日の一部報道について」というリリースを発表。「NHKニュース等、一部報道機関により国内不動産会社買収に関する報道がありましたが、本件は当社が発表したものではありません」としました。一方の野村不動産はだんまりです。
まず、トールの買収は当時の西室泰三社長が主導したものでした。ご存じ、巨額減損を引き起こした東芝のウェスティングハウス買収時の会長だった人物です。もはや、西室氏の“買収下手”は語るに及ばずでしょう。そもそも、6200億円という高値でオーストラリアの物流会社を買収する意味がありません。官制国策会社で日本国民のために良質なサービスを提供することが義務であったはずなのですから。
野村不動産の買収報道は、その西室氏(’16年3月に病気で退任)の後任として、タナボタで郵貯銀行社長から日本郵政社長に就任した長門正貢氏が弄した策と考えて間違いないでしょう。巨額減損の発表で責任を前経営陣に押し付け、それを利用して総務省出身の高橋亨・日本郵便会長の代表権をはく奪。さらに石井雅美・かんぽ生命社長を解任しています。一方的に責任を取らせたうえで、転落する日本郵政を見かけだけでも浮上させるために野村不動産買収をぶち上げたのでしょう。
当初予想の3200億円の黒字から一気に289億円の赤字へと転落
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