語尾を質問、心情の吐露、示唆に変えるだけで、劇的に変わる
語尾の工夫とは、とても簡単なことだ。嫌悪感を与えないメールの語尾の実例は、「○○してください」ではなく、次のような表現だ
・○○していただいてもよろしいでしょうか
・○○という方法はいかがでしょうか
・○○していただいたら有難いのです
・○○していただくとたいへん助かります
・○○していただくことも一方法でしょう
・○○してもよいかもしれません
最初の二つが、命令ではなく、質問をする方法だ。やっていただけますか、そのよう方法はどうでしょうかと問い、相手の意思を確認する方法だ。次の二つは、自分の気持ちを吐露する方法だ。私としては有難い、助かるということを表明して、相手の自発的な行動を促す方法だ。最後の二つが、こうすることも一方法でしょうか、よいかもしれませんというように、示唆する方法だ。
これらは架空の話法でもなければ、理論から生み出されたものでもない。円満なコミュニケーションが実現したメールの語尾の実例だ。にもかかわらず、これらの事例を紹介すると、「質問などして、相手からNOと言われた困るではないか」「やってもらわなければならないのだから、質問をするのではなくて、命令をするしかないだろう」というご意見をいただくことがほとんどだ。
そうしたご意見をいただいた場合には、まずは試してみてくださいと申し上げている。そして、試していただくとほとんどの方がスムースにコミュニケーションできるようになったという報告をしてくださる。命令や断定よりも、質問や心情の吐露や示唆の方が、実は相手を動かす力があるのだ。そして、これら3手法それぞれに、効果が出やすい場面というものがある。