小池知事の代表就任と入れ替わるように「都民ファーストの会」幹事長となった野田数・前代表も、情報公開への意気込みをこう語った。
――「都民ファーストの会」が掲げた基本政策である「徹底した情報公開」が政策の目玉になるのか、「文書管理や情報公開の杜撰さを調べた上で都政で見本を示す」というお考えがあるのか、意気込みを含めてお伺いしたいのですが。
野田幹事長:恐らく東京都で情報公開をさらに加速化させていくと、それは国であろうが、他の道府県であろうが、方向性としては情報公開の方向にベクトルが向かっていくのではないかと思っております。
6月4日、街頭演説で自民党との対決姿勢を示した小池都知事
6月4日の応援演説(昭島駅前と高幡不動駅前)でも、情報公開を目玉政策に位置づける小池知事の訴えは首尾一貫していた。加計学園をめぐる永田町と霞が関の“バトル”に触れながら、「東京大改革の一丁目一番地(原点)は情報公開」という主旨の訴えを繰り返したのだ。
小池知事:まずは情報公開から始めなければならない。このことから、この定例議会において、情報公開を改正する案、そして公文書の管理をするための条例案を提出しました。今も(加計学園疑惑で)揉めていますね。永田町と霞が関との間で、やれ「書類があるのないの」「怪文書だ」などといろいろありますけれども、そうではなくて、東京都は、都政は、これまでのようなのり弁の(黒塗りの)資料ではなくて、基本的に都民の皆様にお知らせをする。よくチェックをして下さいという方針に大転換をします。
「東京大改革と言っているけれども、何それ?』という方がいらっしゃると思います。情報公開度は47都道府県で東京は下から数えた方が早い。「よく見えない都政」が定番でした。東京大改革の一つは「見える化」。そのために情報公開条例を改正します。同時に公文書管理の条例も提出させていただいております。基本的に資料はすべて公開するのが大前提ということにしてこそ、私は新しい東京の大改革が始まると思っております。
小池知事が情報公開を政策の目玉に位置づけ、都議選の構図を「ブラックボックス化の自民党」対「情報公開(透明化)の都民ファーストの会」と強調したことで、自民党との“バトル”はさらに激化。小泉政権時代に環境大臣を務めた小池知事が2005年の郵政選挙と同様、「情報公開イエスか―ノーか」といった選挙を仕掛けてくるのは確実。加計問題をめぐる自民党への批判が小池新党躍進の追い風になるのか。都議選から目が離せない。
<取材・文・撮影/横田一(ジャーナリスト)>