上場企業の「平均年間給与」は605万7000円!最も平均が低い業界は3年連続であの業界

 平均年間給与が1000万円以上という上場企業のは60社(構成比1.9%)で、調査開始以来の最多を数えた一方、500万円未満も723社(構成比23.4%)あり、上場企業の平均年間給与は二極化が進んでいた。  一方、最も増加率が高かったのは不動産業(前年比2.4%増)で、唯一2.0%以上の伸び率だった。次いで建設業(同1.9%増)、運輸・情報通信業(同1.2%増)と続いた。建設業は都心部再開発などでゼネコンの業績が好調で、増加につながったという。  一方、電気・ガス業(同1.0%増)は、東日本大震災以降、初めて前年を上回った。’11年3月を境に経営環境が一変し、’12年から前年を下回っていたが、10電力会社のうち、北陸電力を除く、9電力会社で平均年間給与が前年を上回った。前年を下回ったのは、水産・農林・鉱業のみで前年比1.9%減だ。  国税庁が発表している「平成27年分民間給与実態統計調査」によると、’15年の平均年間給与は420万4000円である。さらに正規では484万9000円、非正規では170万5000円)となっている。  これは今回の調査で判明した上場企業の平均年間給与と比較して、1.4倍(185万3000円)、また、正規社員ベースでも1.2倍(120万8000円)もの開きがあった。  さらに、業種別に見てみると、最も平均年間給与が高かったのが金融・保険業で702万9000円だった。一方で最下位は6年連続で小売業の500万円という結果に。しかしながら、小売業は3年連続で平均年間給与は上昇しており、今回、初の500万円台に乗せた。深刻な人手不足にともない、人件費の上昇が待遇改善につながっているようだ。  東京商工リサーチは「政府や経団連は企業に賃金引き上げを要請し、上場企業の給与は着実に上昇している。だが、業種間では格差は拡大し、また中小企業との給与格差も縮まる兆しは見えない」と分析した。 <文/HBO取材班> 【参照】 東京商工リサーチ「2016年決算『上場3079社の平均年間給与』調査
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